先日の疑問について、先生の説明と文法書により、ようやく分かりました。もう、びっくりです。
フランス語の文法用語をイタリア語に当てはめてはいけないし、また、フランス語の文法そのものをイタリア語に当てはめてもいけないことがよ~くわかりました。
”イタリア語は、フランス語とは別の言語だから”という、私より前にイタリア語を始めた友人の言葉が、今身にしみて分かってきました。イタリア語は、イタリア語として理解していかなければならないようです。次の説明は、「現代イタリア文法」白水社よりの抜粋です。
P 188 非人称動詞と非人称構文
◆ 非人称動詞(こういう概念はフランス語にはない)とは、三人称単数だけに使用される動詞のことで、主語は持たない。英語の it やフランス語の il のような形式主語も持たない。
例えば、piovere(雨が降る) は、io piovo, tu piovi などはなく(当たり前だけど)、三人称単数のpioveのみ存在する。 そのほかに nevicare(雪が降る), annottare(夜になる), albeggiare(夜が明ける), tuonare(雷が鳴る) など。
◆ 非人称構文とは、英語の It is + 形容詞 + to(that)・・・、フランス語の Il est + 形容詞 + de (que)・・・の構文に相当する。つまり、意味上の主語が、動詞の不定詞現在、または名詞節であるような文のことである。
イタリア語の場合は、it や il のような形式主語もなく、不定詞動詞の前に前置詞もつけない。《 essere の三人称単数 + 形容詞 + 動詞の不定形現在(または、che+節)》 の形をとる。
この形でよく用いられる形容詞は、facile「易しい」, difficile「難しい」, necessario「必要な」, possibile「可能な」 など。例えば、
È necessario partire subito. 「すぐ出発する必要があります。」
Non è facile impadronirsi di una lingua straniera. 「1つの外国語をマスターするのは容易ではない。」
◆ 一般の《人》全体に付いて述べる形を動詞の非人称形(forma impersonale)といい、主語には、補語人称代名詞非強勢形 si (これが、英語のone フランス語のonに当たる)を用いる。この si は漠然と「人」一般を表し、非人称のsi (si impersonale)と呼ぶ。規則は次の通り。
① si は三人称単数動詞の能動態とともに用いる。
② 再帰動詞と共に使用する場合は、si を ci に置き換える。
Ci si alza e ci si lava la faccia la mattina. 「人は朝起きて顔を洗う。」
③ 形容詞を使用する場合は、「人」一般が複数の意味を持つので、意味上の一致をして男性複数形を用いる。
Si è stanchi. 「人は疲れている。」
Si è tristi quando si è soli. 「人は独りの時は寂しい。」
④ 他動詞は、直接目的語を持たない。直接目的語を持つと、《si+3人称能動態》形の受動態になる。自動詞の場合は、《前置詞+名詞》形の補語をとってもかまわない。
In questo ristorante si mangia bene. 「このレストランでは美味しいものが食べられる。」
Con loro si parla sempre di politica. 「彼らとはいつも政治の話になる。」
⑤ 他動詞で人称代名詞直接補語非強勢形(lo, la ,li, le など)を持つと、受動態の扱いを受けるが、人称代名詞間接補語非強勢形(mi, ti, gli,le, ci, vi )を持つことはできる。(Cojico記:直接目的語を持つか 間接目的語を持つかによって、文が変わってしまう。初心者にとっては非常に分かりにくいと思う。)
Mi si parla. 「人は私に話かける。」
Gli si obbedisce. 「人は彼に服従する。」
代名詞 ne と共に用いる場合は、si の前に置かれ、si を se の形に変える。(Cojico記:またしても、siが変わる。こんなことあって良いのだろうか?)
Se(本来は Si ) ne parla. 「人はそれに付いて話す」
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◆ 《 si + 能動態他動詞 》 形受動態 P197
主語が3人称単数、複数の場合に限って、能動態動詞が、《受身の si 》( si passivante)と呼ばれる人称代名詞の助けを借りて、受動態を作るものである。この形においては、主語が後に置かれる場合が多い。
In Italia si mangia molta pasta. 「イタリアでは、沢山のパスタが食べられる。」
In Italia si mangiano molti spaghetti. 上と同じ意味、但し、複数形で表している。
Questo libro si legge volentieri da tutti. 「この本は、皆に喜んで読まれている。」
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恐るべきイタリア語!!!「人」一般の概念が複数だから、Si è stanchi. と動詞が3人称単数形なのに、”形容詞は複数形になる”(フランス語では、主語が誰だか分かっていて複数の場合、それをOnに置き換えたときだけはこれと同じ形になるけれど、それ以外の場合は考えられない)、とか、「人」一般を表す語を、再帰動詞の3人称単数の代名詞Siと同じ形にしたために、”siがciに変わる”とか、”能動態他動詞がSiを持つと受動態になってしまう”とか、むずかしいことばかり起こるのです。
si passivante の形をよくみると、再帰動詞と同じ形なのだから、”「受身のsi」の助けを借りて”などと、文法上の分類しなくてもいいのではないか、と思うのですが・・・。
フランス語にも同じ言い方があり、それは、単なる再帰動詞の一環の中に存在します。例えば、
Ce roman se vend bien à Paris. 「パリではこの小説がよく売れている」
もし、フランス語でも、この「se」を「人」一般の変わりとして用いれば、イタリア語と同じような混乱が生まれたでしょう。「on」という別の単語を用いたことで、すべてがすっきりしているのです。
難しい書き方をしてしまいましたが、イタリア語を勉強する人は、知らなくてはいけない事柄で、多くのイタリア語を勉強している人は、すでに知っている内容!ああ・・・大変!
今回の疑問から学んだことは、”フランス語の文法と比べるのはやめよう!”という単純で基本的なことでした。
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