カテゴリー「フランスの教会 Les eglises de la France」の39件の記事

2009年4月27日 (月)

やはり写真がなければ・・・

やはり、最初のページには、教会か修道院の写真がないと、寂しいですね。
で、これをアップしておきます。

ドームのある教会の回廊・・・

  Cah_cloit

この教会では、フレスコ画も見られるんですよ。

  Cah_int1

ちょっとマイナーですが、カオール大聖堂です。

置かれていたパネル解説の写真も撮っているので、落ち着いたらそれを読み、この大聖堂についても書くつもりでおります。とりあえず、今は、写真だけということで・・・

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2008年12月19日 (金)

「フランスの教会」記事一覧

このページは、”「フランスの教会」 記事一覧”。(あまりにも少ないので、びっくり)
下の表に示している教会の説明を、少しでも多く書きたいのですが・・・・

2008-12-18  教会内部 ボーリュー Beaulieu④
2008-12-15  サンドニの手本となったボーリューのタンパン Beaulieu③
2008-12-11  サン・ピエール・ドゥ・ボーリュー教会の扉口 Beaulieu②
2008-12-05  美しい土地という意味の教会 ボーリュー Beaulieu-sur-Dordogne①

2008-11-20  傑作イザヤの浮彫りと柱頭彫刻 Souillac④
2008-11-16  聖母だけを讃えた最初のタンパン Souillac③
2008-09-21  驚くべき柱彫刻を持つスイーヤック Souillac②
2008-09-14  驚くべき柱彫刻を持つスイーヤック Souillac①

2008-09-05  ビデオ パリのサン・テチエンヌ・デュ・モン教会
2008-09-03  ビデオ パリのサント・シャペル Sainte Chapelle
2008-08-31  ビデオ  サン・ドニ大修道院 Saint Denis
2008-08-05  アングレーム大聖堂Cathedrale d'Angouleme③
2008-07-27  アングレーム大聖堂Cathedrale d'Angouleme②
2008-07-22 アングレーム大聖堂 Cathedrale d'Angouleme① ファサード一面のレリーフ

2008-07-06  サント(Saintes)の街、 サン・ピエール大聖堂、オ・ダム大修道院(Abbaye aux Dame)のポルタイイユ
2008-06-29  サントのサン・チュートロプ教会② 教会内部、歴史、柱頭
2008-06-22  宇宙船のようなクリプトを持つ教会 サントのサン・チュートロープ教会
         Eglise Saint-Eutrope のクリプト、外観

2008-05-02  フランス最古の教会 ポワチエのサン・ジャン洗礼堂 内部
2008-04-23  フランス最古の教会 ポワチエのサン・ジャン洗礼堂 外観
2008-04-18  パリ最古の教会 サン・ジェルマン・デ・プレ
2008-02-10  聖人になった元王妃の教会 サント・ラドゴンド教会(ポワチエ)
2008-02-03  サン・ベルトラン・ド・コマンジュ(Saint-Bertrand-de-Comminges)という僻地にある大聖堂

2008-01-20  柱頭が目前に置かれているモザックの教会 Abbaye de Mosac
2007-12-17  歴代国王の墓所 サン・ドニ修道院聖堂 Basilique de Saint-Denis
2007-10-27  続続:大好き オーヴェルニュ地方 ブリウド
2007-10-26  続:大好き オーヴェルニュ地方 オルシバル(外観のみ)
2007-10-12  イソワールの教会②サン・オストルモワンヌ 外観について
2007-10-09  イソワールの教会①サン・オストルモワンヌ 内陣について
                   L'Abbatiale Saint-Austremoine

2007-08-05  講義「ロマネスク彫刻の形態の特徴」(越宏一先生の講演)
2007-07-19  ル・ピュイのノートル・ダム大聖堂(3) 回廊、フレスコ画について
2007-07-17  ル・ピュイのノートル・ダム大聖堂(2) 裁きのポーチについて
2007-07-14 ル・ピュイのノートル・ダム大聖堂(1) Cathedral Notre Dame du Puy(1)2007-07-02  奇岩の上に立つ教会ル・ピュイ(2) LE PUY-EN-VELAY(2)
2007-06-17 奇岩の上に立つ教会ル・ピュイ(1) サン・ミシェル・デギュイユ(Saint-Michel d'Aiguilhe)について

2007-01-20 サン・サヴァンの大壁画 les peintures murales de St-Savin
2006-12-07 ヴェズレー再び ドイツ兵の十字架 VÉZELAY de nouveau
2006-09-23 「フランスで最も感嘆すべき廃墟」ジュミエージュ大修道院 Abbaye de JUMIÈGES : une des plus admirable ruines qui soient en France
2006-06-22 巡礼の地 ヴェズレー Vézelay: Un pèlerinage
2006-07-21 ヴェズレーの平和の誓い 平和のカノン

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今まで訪れたフランスの教会の一覧です。記事を書いた教会のみリンクがついています。書くべき教会がたくさん残っていますねえ。他の国の事も考えると、めまいを起こしそうです。

ピカルディ地方 Picardie

アミアン
 Amiens
ノートルダム大聖堂 Cathedrale Notre-Dame
ユネスコ世界文化遺産
ボーヴェ
Beauvais
サン・ピエール大聖堂 Cathedrale St.-Pierre
建設途中のまま残されたフランス最高の高さを誇る教会
サンリス
Senlis
ノートルダム大聖堂 Cathedrale Notre-Dame

オート・ノルマンディ地方 Haute-Normandie

ルーアン
Rouen
ノートルダム大聖堂 Cathedrale Notre-Dame
サン・トゥーアン教会 Eglise St.-Ouen
サン・マクルー教会 Eglise St.-Maclou
ルーアン東 ジュミエージュ大修道院 Abbaye de Jumieges
ーフランスの最も感嘆すべき廃墟!ー

カルヴァドス地方 Calvados、ブルターニュ地方 Bretagne

カーン
Caen
サン=テチエンヌ教会 Eglise St.-Etienne
三位一体教会 Eglise de la Trinite
バイユー
Bayeux
ノートル=ダム大聖堂
マチルド王妃のタピスリー

モン・サン・ミシェル

モン・サン・ミシェル修道院Abbaye
Le Mont-St-Michel

イル・ドゥ・フランス Ile-de-France

サン・ドニ
St.-Denis
サン・ドニ修道院聖堂 Basilique de Saint-Denis    ビデオ
フランス歴代の王の墓所
パリ Paris ノートル・ダム大聖堂 Cathedrale Notre-Dame
ユネスコ世界文化遺産
サント・シャペル La Sainte-Chapelle  ビデオ
ルイ9世の王宮付属礼拝堂、聖書を著す13世紀のステンドグラスの光に溢れる   ユネスコ世界文化遺産
サン・ジェルマン・デ・プレ  パリ最古の教会 
St-Germain-des-Pres
サン・テチエンヌ・デュ・モン教会  ビデオ
St.-Etienne-du-Mont  ジュペが美しい
サン・シュルピス教会
パンテオン
サクレ・クール・バジリカ聖堂 Sacre Coeur

シャンパーニュ地方 Champagne、ロレーヌ地方 Lorraine,アルザス地方 Alsace

ランス
Reims
ノートル・ダム大聖堂 Cathedrale Notre-Dame
クロヴィス以来、フランス歴代の国王の戴冠式を行う
フランス大聖堂の女王、ゴシック大聖堂の古典
ユネスコ世界文化遺産
サン・レミ・バジリカ聖堂 Basilique St.-Remi 
クロヴィスを洗礼した聖レミの聖堂
フジタ礼拝堂
トロワ
Troyes
サン・ピエールとサン・ポール大聖堂
Cathedrale St.-Pierre-et-St.-Paull
メッス
Metz
サン=テチエンヌ大聖堂 Cathedrale St.-Etienne
ストラスブール
Strasbourg
ノートル・ダム大聖堂 Cathedrale Notre-Dame

ブルゴーニュ地方 Bourgogne

サンス
Sens
サン=テチエンヌ大聖堂 Cathedrale St.-Etienne
オーセール
Auxerre
サン=ジェルマン大修道院  Abbaye St.-Germain
サン=テチエンヌ大聖堂  Cathedrale Saint-Etienne
ヴェズレー
Vezelay
 サント=マドレーヌ・バジリカ教会 Basilique Ste. Madeleine
1)平和の誓い 平和のカノンCanon de la paix 
(2)巡礼の地 3)ドイツ人の十字架
  フォントネー大修道院Abbaye de Fontenay
http://www.abbayedefontenay.com/abbayedefontenay.htm
ディジョン
Dijon
サン・ミシェル教会
ソーリュー
Saulie
サン・タン・ドーシュ聖堂 Basilique St. Andoche
オータン
Autun
サン・ラザール大聖堂 Cathedrale St-Lazare 聖ラザロの教会
トゥルニュ
Tournus
サン・フィリベール修道院 Abbaye Saint-Philibert
クリュニー
Cluny
クリュニー修道院 L'abbaye de Cluny
ベルゼ・ラ・ヴィル ベルゼ・ラ・ヴィル 修道院礼拝堂

センター地方 Centre 、ペイ・ドゥ・ラ・ロワール地方 Pays de la Loire

オルレアン東 ジェルミ・デ・プレ Germigny-des-Pres
フランスでは珍しい9世紀のモザイク

サン・ブノワ・シュル・ロワール大修道院
Abbaye de St.-Benoit-sur-Loire

ブールジュ
Bourges
サン・テチエンヌ大聖堂 Cathedrale St-Etienne
13世紀のすばらしいステンドグラス、赤の色
ユネスコ世界文化遺産      http://www.ville-bourges.fr/
ブールジュ南 ノワルラック大修道院 Abbaye de Noirlac
トゥール Tours サン=ガシャン聖堂 Cathedrale St.-Gatien
ソーミュール
Saumur 
フォントヴォロー大修道院
Abbaye de Fontevraud
ル・マン
Le Mans
サン=ジュリアン大聖堂 Cathedrale St.-Julien
ブールジュを模して作られた
ナント Nantes サン・ピエール・サン・ポール大聖堂
Cathedrale St.-Pierre et St.-Paul

ポワトゥ・シャレントゥ地方 Poitou-Charentes

ポワチエ
Poitiers
サン=チレール=ル=グラン教会
Eglise St.-Hilaire-le-grand
ノートル=ダム=ラ=グランド教会
Eglise Notre-Dome-la-Grande
サン・ジャン洗礼堂 Baptistère Saint Jean
フランス最古の教会
   ①外観
  ②内部
サント・ラドゴンド教会 Sainte-Radegonde
内陣の構造が面白い、地下に聖女ラドゴンドの墓
サン・サヴァン
St.-Savin
St-Savin旧大修道院付属教会
天井、壁一面 旧約聖書の壁画。ユネスコ世界文化遺産
ショーヴィニー
Chauvigny
St-Pierre教会
ユニークかつ強烈な柱頭彫刻  

サント Saintes

サン・チュートロプ教会 Eglise Saint-Eutrope
  ①宇宙船のようなクリプト  ②内部  
サン・ピエール大聖堂 Cathédrale Saint Piierre
アングレーム
Angouleme
サン・ピエール大聖堂 Cathédrale Saint Piierre
ファサード一面の浮き彫り彫刻
 ①外観  ②ファサード  ③内部

オーヴェルニュ地方 Auvergne

クレルモン・フェラン
Clermont-Ferrand
ノートル・ダム・デュ・ポール・バジリカ聖堂
Basilique Notre-Dame-du-Port
聖母被昇天のノートル=ダム大聖堂
Cathedrale Notre-Dame-de-l'Assomtion
オルシヴァル
Orcival
ノートル・ダム・バジリカ聖堂
Basilique Notre-Dome
サン・ネクテール
St-Nectaire
サン・ネクテール教会
イソワール
Issoire
旧サン・トストルモワンヌ大修道院
   
①内部  ②外観

Ansienne abbatiale St.-Austremoine
モザ 
Mosac

サン・ピエール教会
美しい柱頭が床に置かれている小さな教会

ブリウドBrioude

サン・ジュリアン寺院 Basilique St-Julien
オーヴェルニュのロマネスク芸術最後
St.-Flour
ル・ピュイ・アン・ヴレ
Le Puy-en-Velay
ノートル・ダム大聖堂
    (1)外観とフレスコ画
 
  
(2)平面図と裁きのポーチ 
  
(3)回廊
サン・ミシェル・デギュイユ礼拝堂 (1)タンパン
Chapelle St.-Michel-d'Aiguilhe    (2)内部フレスコ画
サン・サチュルナン サン・サチュルナン教会

ミディ・ピレネ地方 Midi Pyrenees 、アキテーヌ地方 Aquitaine 

ロカマドール
Rocamadour
宗教都市
コンク 
Conque
サント・フォワ教会 Eglise-Ste.-Foy
アルビ Albi サント・セシル大聖堂 Cathedrale Ste.-Cecile
カレナック
Carenac
ボーリュー・
シュル・
ドルドーニュ
ボーリュー・サン・ピエール修道院教会 ①外観 
②扉口の浮き彫り ③タンパン  ④内部

Abbatiale Saint Pierre de Beaulieu
モワサックの芸術家グループによるタンパン

スイヤック
Souillac

サント・マリー修道院 Abbatiale Sainte Marie
モワサックの芸術家グループによる彫刻群 
①柱彫刻 ②柱彫刻
③テオフィロス伝説のタンパン ④イザヤ像と柱頭彫刻
カオールCahors

サン・テチエンヌ大聖堂 Cathedrale de Cahors
クーポラ、入り口内部のフレスコ画、回廊

モワサック
Moissac
サン・ピエール修道院付属教会  
美しい回廊と柱頭彫刻、ファサードの彫刻
トゥールーズ
Toulouse
サン・セルナン・バジリカ聖堂 Basilique St-Sernin
ドミニコ会修道院 Les Jacobins
異端カタリ派と戦うため聖ドミニク(1170-1221)により設立された
聖ドミニクのお墓はBologna
サン・テミリオン
St-Emilion
モノリス(一枚岩)の教会 Eglise monolithe
Eglise Collégiale
ボルドー
Bordeaux
サンタンドレ大聖堂 Cathédrale Saint-André
ルールド Lourdes 宗教都市(少女が聖母を見たことから)
サン・ベルトラン・ド・コマンジュ

Saint-Bertrand-de-Comminges
サント・マリー・ド・コマンジュ大聖堂 Cethédrale Sainte-Marie

ラングドック地方 Languedoc その他

カルカッソンヌ Carcassonne サン・ナゼール大聖堂 Basilique St-Nazaire
モンセギュー モンセギュールの城 Chateau de Montsegur
(カタリ派の最後の砦、今は壁のみ)
リヨン Lyon 聖ヨハネ首座司教教会 Primatiale St.-Jean
アヴィニヨン
Avignon
アヴィニヨン教皇領 La papaute d'Avignon
アルル Arles

サン・トロフィーム教会 Primatiale Saint-Trophimes
ファサード、回廊

サン・ジル
Saint Gilles
サン・ジル・デュ・ガール教会 Basilique Abbatiale de St Gilles du Gard  見事なファサード彫刻、クリプト
エクサン・プロヴァンス セナンク修道院 Abbaye Notre-Dame de Senanque
ル・トロネ修道院 Abbaye du Thoronet
シルヴァカンヌ修道院 Abbaye de Silvacane
ル・ドラLe Dorat
(Limousin)
サン・ピエール参事会教会 Collwgiale St.-Pierre

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2008年12月18日 (木)

ボーリューのサン・ピエール教会 内部 Beaulieu④

タンパンの美しいボーリューの教会、私は教会外側は一生懸命に見たのですが、恥ずかしいことに内部はあまり丁寧に見なかったのです・・・

Inte1  Collateraux

側廊の幅の狭い、3廊式の教会。窓が少なくて、とても暗くて、写真技術の無い私には、難しかったです。クリックして写真を拡大すると、もう少し分かりやすいと思います。

Inte3  Inte5

袖廊の窓の位置も非常に高いです。左の写真は、教会の入り口、つまり西側かな?今となっては、分からなくなっています。

Choeur 内陣です。アーチが3段で、きれいですね。後陣は周歩廊になっていて、写真でもいくつかの祭室も見えますね。

Inte6

側廊の壁には、このようなのが掛かっていました。右下に見えるのは、この教会の宝物の一覧。その下のガラスケースに本物が入っていたらしいのですが、なんとその写真を撮っていないのです。したがって、宝物は、写真の写真だけしかありません・・・。これが、報告といえるのでしょうか?すみません。

Tresor1  Tresor2

左は、木製の聖母に金銀細工がなされている12世紀の像(だそうです)。ガラスケースの中を丁寧に見ていないので、記憶にないのですが、もしそこにあったとすれば、とても小さな像のはずです。でも、ほんとにあったのかなあ・・・。聖母の頭にはルビーのような宝石も付いているのに・・・。

右は13世紀のリモージュ産の七宝焼きの箱で、右面に見える赤い3人物と右端の白い光背を持った人物は、東方3博士と聖母子、そうマギの礼拝の場面なのです。

このボーリューは、タンパン周辺があまりにも素敵で、そのほかにはあまり注意が行かず、中途半端な報告になりました。現地には朝早く着き、去る時刻がなんと朝の10時頃でしたので、何のお店も開いていませんでした。ですので、絵葉書も資料も何もなし。この点がちょっと残念でした。これで、ボーリューは終わりにしたいと思います。

《関連記事》
ボーリュー① 教会外観とモディリオン
ボーリュー② 教会扉口の浮彫り
ボーリュー③ サン・ドニの手本となったタンパン

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2008年12月15日 (月)

サン・ドニの手本となったボーリューのタンパン Saint Pierre de Beaulieu③

恐れ多いのですが、いよいよボーリューのタンパンの説明に入らせていただきます。(画像はすべて、クリックすると拡大します。)

エミール・マールは、端的な言葉で、ボーリューのタンパンを描写しています。
『そこでは天使たちラッパを吹き鳴らし、死者たちが石棺の蓋を持ち上げ、キリストは使途たちを伴い、「受難」の刑具に囲まれて、天上に現われている。』(ロマネスクの図像学:下P265) もう少し詳しくみてみましょう。

Tympant

ボーリューのサイトの説明によりますと、このタンパン及びラントー(linteau まぐさ:入口の上の横石)では、「最後の審判」を行うためにキリストがもう一度現われる「再臨」(le second avenement)した際の3つの世界、つまり天国、地上、地獄が表わされているのだそうです。

Apochrist_2 中央で王座に座り、両手を広げたキリスト像。幅は2メートルほどあるそうです。その両側には、時を告げるために角笛を吹く天使たち。

キリストの右肩後には、天使たちが十字架を持ち上げ、また彼の左肩後では、別の天使が、彼を十字架に打ち付けた釘を持っています。

そう、この両手を広げたキリストは、十字架の上で亡くなった時の姿そのままでまた再臨しているのです。

ヨハネの黙示録を読みますと、『燭台の中央には、人の子のような方がおり、足まで届く衣を着て、胸には金の帯を締めておられた(1-13)』と書かれていますので、このキリスト像のお腹に見える帯は、ここでは色はないのですが、心の中で金色だと思ってください。洋服も、本の内容の通り、ちゃんと足までありますね。

面白いものを見つけました。小さいことなのですが、なんとキリストの足下の床が少し窪んでいるのです。リアルですね。実は、この表現方法、モワサックのタンパンでも同じでした。(いつか、モワサックも書きますね。)

Cielll キリストの両側それぞれに6名づつの光背をもった使徒たちがいます。特定できるのは、キリストの手の先の、鍵を右手でしっかり持っている人物だけ、ペトロしかわかりません。

特に端っこに座っているように見える人物は、使徒ではなく、預言者らしいのです。私には分かりませんが・・・

その下の端っこに見える小さい3人は、光背がないので地上の人物を表していて、その横では、3つの石棺から死者が審判を受けるために蘇えろうとしています。

Cielrr 右半分も似たような構成で、6人の使徒たちが2人ずつ組になって話をしていますね。拡大してよくみると、これも左右同じなのですが、使徒たちはみんな手に本か巻物のようなものを持っています。衣服もみんな体にぴたっとくっついているようで、エレガントですね。

小さく表現されている地上の人物たちも、会話しているようです。その一人は、天上を指差して話していますよ。その横に同じように2つの石棺の蓋が開けられようとしています。

ここでは、大きな一つのタンパンの中にはっきりとした区切りも無く、天上の人物と地上の人物が現わされていますが、もう少し時代が下ると、枠ができ、区切りもはっきりしてきます。

ではいよいよ、地獄です。地獄は、まぐさ2段にわたって掘り込まれています。左右続いているはずの場面を、上下にアップしたので分かりにくくなっていますが、これも画像を大きく見せたいためですのでご了承ください。

Enferl

地獄の上の段の両端では、罪人達が怪物に食べられています。右端の罪人(下の写真の右端)は、なんと頭と右手の両方から食べられています。グリフォンみたいな怪物もいますね。

写真を大きくしてみると分かるのですが、上段の左端(上の写真)に、目と口だけの怪物の頭があり、その大きな口は横向きに開いていて、罪人を銜えている怪獣のお尻を食べようとしています。この大きな口、日本の漫画で見たことのあるような、非常に愛嬌のある顔です。

地獄の下段のヒドラみたいな怪獣は、「ヨハネの黙示録」に出てきます。『・・・・・見よ、火のように赤い大きな竜である。これには七つの頭と十本の角があって、その頭に七つの冠をかぶっていた(12-3)。

Enferr 

・・・・・私はまた、一匹の獣が海の中から上ってくるのを見た。これには十本の角と七つの頭があった。それらの角には十の王冠があり、頭には神を冒涜するさまざまな名が記されていた。私が見たこの獣は、豹に似ており、足は熊のようで、口は獅子の口のようであった。』

地獄の下段で不思議なのは、怪獣の背後には、円の中に葉のような模様が彫られている円形文様が、ずーっと並んでいること。これは何なのでしょう?今後の課題です。

さて、マールによりますと、このボーリューのタンパンは、以下の理由で非常にサン・ドニのタンパンに似ているのだそうです。分かりやすくするためにサン・ドニのタンパンもここでアップしておきますね。

Denis_tymss

・両手を広げ、座している姿。タンパンでこのような形はこの2箇所しかない。
・キリストの左腕は布に覆われ、右腕はむき出し。
・王の背後にある十字架が似た位置で、かつ先端が扇状に広がっている。
・キリストの傍らに座る使徒たち
・トランペットを吹き鳴らす天使
・蘇る死者たち(一番下の段)

一応メインではないので、少し小さめにアップしました。左右対称の形となり、整然とした印象を受けます。私は、ボーリューの方が好きかな。サン・ドニのタンパンは、周りのアーチの部分に、トランペットを吹いている天使がいたり、右の方では、悪魔に連れて行かれそうな人たちいます。このサン・ドニのタンパンも面白いので、いつか書かなければいけないでしょうね。

《関連記事》
ボーリュー① 教会外観とモディリオン
ボーリュー② 教会扉口の浮彫り
ボーリュー④ 教会内部

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2008年12月11日 (木)

ボーリューの扉口 St. Pierre de Beaulie②

では、ボーリューのサン・ピエール修道院教会南扉口に並んでいる浮き彫り像について、左の方から説明していきましょう。

3peches 一番左の外側に、破損の激しいこの3体の像があります。左端は上半身が無いのが残念ですが、お皿を持っているのが分かります。中央は、右手に大きな袋を持っているいて、かつ、両肩に、うろこが付いている細くて気持ち悪い足が見えます。どうも彼の上には、別人物が肩車のように乗っていると思われます。右端は、蛇が女性に絡みついていて、胸と両足の間にその蛇頭がみえます。

これは、キリスト教の七つの大罪の中の3つを表していて、左から貪食(la gourmandise)、吝嗇(l'avarice)、色欲(la luxure)だそうです。現在はこの3体しか残っていませんが、本来は他の4つの罪に対応刷る像もあったのかもしれませんね。また、これらの像の大きさが異なるので、別の場所にあったと考えられます。

Daniel1 扉口の左側の壁にあるのが、こちらの像です。ほんとに残念です、このようになってしまっていて・・・。左端の細長い像は、杖を持った聖人のようですね。この人物は不明ですが、注目は、足元の2匹の動物の形!これは、まさしくモワサックの中央柱(trumeau)と同じです!

その右の2つは同じ題材、旧約聖書の預言者ダニエルの話からで、有名な”獅子の洞窟に投げ込まれたダニエル”(ダニエル書6)の場面だそうです。

中央は、ダニエルが虎穴へ投げ込まれた翌日、王が心配して洞窟へ駆けつけた場面だそうです。でも、人物の動きを見ると、他の貴族達と一緒に洞窟の入り口に石を置いて、封印している場面にも見えます。

上部にお城?教会?が見えますが、その建物の下部中央の小アーチの中に、なんと人の顔の像が置かれています。不思議?!お分かりになりますか?写真は全てクリックすると拡大しますので、ご覧ください。

左側は、虎穴のダニエルで、彼が1頭の獅子の上に座っているのだそうです。その右の像はよく分かりません洞窟を表現しているアーチの上には、これまた竜のような変な生き物が尻尾を巻いていて、(もう薄くなっていますが、)その上部に人物がいます。どうしてここに、竜がいるんでしょう?

Trumeau1_2 Trumeau2

いよいよ中央柱(trumeau)です。どれも細長い男柱像(Atlante)からなっていて、とても優雅です。

正面(左)は、怪獣を足で踏みつけている若者、胸元に衣服の模様が丁寧に彫られています。下の生き物も、ちゃんと交差している形ですね。

柱の両端の、うねうねと軽いアーチが繋がっている部分がとても素敵です。しかも4角とも同じように施されていて、中央柱にしては、あまりにも優雅だと思いませんか?これは、ロマネスクを代表する美しい作品だそうです。

右側面(右)は、聖人と思われる老人。うつむき加減で穏やかな表情、体にぴったりした衣服もエレガント・・・スイヤックのイザヤにも似ているし、モワサックのエレミアにも似ていますね。

中央柱の左側の写真は、下の左にアップしました。上の若者は、下の若者の肩に足のせ、下の若者は、その足を両手で支えているようにみえます。

さて次は、扉の右側壁面は、新約聖書から”キリストの誘惑”の場面です。

Trumeau3  Christ

”マタイによる福音書4 1-11”から抜粋してみます。聖書にどのように書かれているのか、そしてそれがどのように表現されたのか、興味あるところですね。この場面は、イエスがヨハネから洗礼を受けた直後の事です。まずは、左側の浮き彫りから。

Tentation_2さて、イエスは悪魔から誘惑を受けるため、”霊”に導かれて荒れ野に行かれた。そして40日間、昼も夜も断食した後、空腹を覚えられた。すると、誘惑するものが来て、イエスに言った。「神の子なら、これらの石がパンになるように命じたらどうだ。」 イエスはお答えになった。

「『人はパンだけで生きるものではない。神の口から出る一つ一つの言葉で生きる。』と書いてある。」

次に、悪魔はイエスを聖なる都に連れて行き、神殿の屋根の端に立たせて、言った。

「神の子なら、飛び降りたらどうだ。『神があなたのために天使達に命じると、あなたの足が石に打ち当たることのないように、天使達は手であなたを支える』と書いてある。」

イエスは、「『あなたの神である主を試してはならない』ともかいてある」と言われた。》

右の悪魔の首の、引っ張られたような皮の表現は、まさにスイヤックのタンパンの悪魔と同じです。中央の高い建物の下にある丸いものが石なのでしょうか?それを悪魔が指差し、”パンにしてみろ”と言っているようにみえます。

イエスの交差した足の表現とか、衣服のすその襞の表現方法も、スイヤックのイザヤと似ているように思います・・・。

建物の上部両側に2人の人物がいます。かなり破壊されていますが、右が悪魔で左はイエスのようにみえます。こちらが、”飛び降りてみよ”と悪魔が言っている場面ですね。その悪魔の手の後ろに見える腰巻きのぼつぼつした衣服の表現もスイヤックと同じです。されに話は続きます。

Tentation1更に、悪魔はイエスを非常に高い山に連れて行き、世の全ての国々とその繁栄振りを見せて、「もし、ひれ伏して私を拝むなら、これをみんな与えよう」と言った。すると、イエスは言われた。

「退け、サタン(Vade retro satanas)。『あなたの神である主を拝み、ただ主に仕えよ』と書いてある。」 そこで、悪魔は離れ去った。すると、天使がたちが来てイエスに仕えた。》

イエスの顔は削り取られ、悲しい状態です。下のほうに建物、そして山々、その上に立っているイエスと悪魔。

悪魔の姿が非常に上手く彫られていると感心するのですが、エミール・マールによりますと、悪魔の姿がこのように彫刻に現れたのは、12世紀初頭、この南部の地方のモワサックやボーリュー、スイヤックが初めてなのだそうです。

今、モワサックの扉口の写真を見たのですが、確かに、悪魔の姿がとても似ていました。またいつか、モワサックのお話もしますね。

写真を大きくしてみると分かるのですが、イエスの背中と柱の間には、教会の塔か宮殿の高い建物かが掘り込まれています。ここは奥まった場所だったからか、とても綺麗に残っていて驚きました。本来は、もっともっと美しかったのでしょうね・・・ほんとうにもったいないです。

Apotre2 Apotre1 さて、一番右端の像となりました。実は、これが一番気に入った像です。

どなたなのか分かりませんが、とてもやさしそうで、エレガント。更に脇の天使達の彫刻もいろんな方向に向いていてかわいいし、横から見ると美しいのです。

右の画像を見るとお分かりのように、角をうまく生かしているでしょう?ほんとうに凝っています。

下には、蛇?の他2匹の動物がいますが・・・関係無い話ですが、実は私、蛇のようなくねくねした細長い生き物が非常に苦手でして、そのせいで、うなぎもドジョウも食べられません。(ほんとうに関係ない話でした。)

さて、扉口周辺の浮き彫の最後として、1つ興味深い柱頭彫刻がありましたので、それをアップしてします。怪獣に銜えられて、どこかへ連れて行かれるのでしょうか?顔が泣き叫んでいるように見えます。

Chap_enfer

《関連記事》
ボーリュー① 教会外観
ボーリュー③ サン・ドニの手本となったタンパン
ボーリュー④ 教会内部

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2008年12月 5日 (金)

”美しい場所”という意の地名Beaulieuの教会①

Beaulieu_map Beaulieu-sur-Dordogneという町は、”ドルドーニュ川沿いの美しい所”という意味で、ロカマドールとか前述のスイヤックから車で30分ぐらいのところにあります。10年ほど前にこのあたりを車でうろうろしたときは、全然知らなかったのですが、数年前、Pさんのサイトで始めてここに見事なタンパンを持つ教会があることを知りました。

見てみたい!でも、アクセスが難しい場所。おまけに、そのあたりの観光地は既に訪れているので、この教会だけの為に行くのも気が重いなあと思いながら、ネットで何度SNCF(フランス国鉄)の時刻表を調べたかわかりません。ほぼ諦めかけていた教会だけに、見ることができたときは、ほんとうに感激でした。

Dordogne このドルッドーニュ地方は、洞窟や鍾乳洞が多く、数千年前に描かれた絵などを見ることができます。その代表的なのが有名な少し離れたラスコーの洞窟ですが、いやいや、これは凄かったですよ!圧巻です。また、いつか書こうかな?

また、この近くにあるパディラックの鍾乳洞はとても凄くて、エレベータで地下へ降り、地底湖を船で渡るのです!これはお勧めです!

上は、橋のうえから撮ったドルドーニュ川。豊かな水量、豊かな木々、ほんとに名まえの通り美しかったです。町も静かで、小さな1地方町(都市ではない)といった感じ。

さて、教会の話に参ります。教会の名は、Saint Pierre de Beaulieu。この町のサイトを見てみますと、9世紀ボーリューの領主であり、トゥレーヌの伯爵の家族であったロドルフ(Rodolphe)という人によって設立され、12世紀には、クリュニー系に属するようになったとの事。巡礼の道上にはないのですが、巡礼者の為に教会の新構築が必要になったのだそうです。工事の開始時期はわからないのですが、少なくとも1150年にはほとんどが出来上がっており、最終的に完成したのは13世紀だそうです。

その教会は小さな広場に面していました。入り口は南側にあり、そして・・・そのタンパンや中央柱の彫刻はすばらしいものでした。詳細は、次回としますね。

Beaulieu1

さて、このボーリューのサイトを見ますと、私達の知りたい浮き彫りの説明よりも、この修道院の保全・修復についての詳細が記されていました。

それに寄りますと、この修道院教会は、1843年に歴史的建造物に指定され、19世紀の終わりから修復が行われているのだそうです。特記すべき事柄は、1890年頃、このロマネスクのタンパンを守るために、建築家アナトール・ドゥ・ボードAnatole de Baudot指示の下、ポーチの建設が行われた事。

Gate1

1997年から98年にかけて行われた、歴史的建造物のチーフ建築家による調査の結果、この南扉口に構造的、表面的欠陥がいくつか見つかり、また、緊急工事が必要なことも分かったのだそうです。

・4つの異なる砂岩の不均等な配置が、この扉口や横の壁に悪影響を及ぼしている事。
・湿気からくる苔や藻が検出されたこと。
・1950年に行われた清掃で残っていた色が無くなってしまった事。このすばらしいタンパンは元々彩色が施されていたされていたのだそうです。

そして一番緊急を要したのは、扉口のこのすばらしい中央柱が、上部のタンパンの重さを支えているだけでなく、両側の外壁までも支えていて、その超過重の現実が分かったこと。なんと、この細い彫刻された中央柱の下部に掛かる加重は、なんと64トン。1トントラック64台分の重さが、この1本の柱にかかっているとは・・・もしこれが崩れたら、上部のすばらしいタンパンも壊れることになります。

Chap_restau1 中央柱の強化、湿気の排除、苔の除去などの工事は、2000年12月に始まり、1年半後の2002年7月に終了し、費用は5400万円。この中央柱の土台に、強化用の樹脂を注入したそうです。

また、苔や藻のついている彫刻には、殺菌用物質によって湿らされたガーゼを貼り付け、その後、シリコンで彫刻の型をとったのだそうです。そして、その型から現在パリの博物館で見られるような複製を作成したんですね。

右の写真は、アルルのサン・トロフィームの回廊の柱頭彫刻ですが、きっとガーゼを貼り付けるって、このように行ったのではないでしょうか?それとも、これは他の役目?私はわかりません。

さて、外観だけでもこの教会の全てをアップしておきましょう。

Exterieur1_2

この写真は、南扉口の右側を写したものです。もう一つの塔が見えますね。この外壁に張られている白い看板のようなものは、写真を拡大してみたところ、この塔の修復計画でした。2008年6月から12ヶ月続くそうです。

では、この袖廊の向こうにあるアプシスに沿ってぐるっと廻って、後陣へ。

Apside

丁度朝日が当たっていて、綺麗に撮れました。この教会ではもう一つ面白いものがありました。Pさんから名まえを教わったモディリオンという、屋根の軒下にある小さな彫刻。この後陣の写真の中にも、屋根の下にたくさん見えますよね。教会の屋根の下全体に、ぐるーっとこのモディリオンを見ることができました。

Sculp1

Modirion2

これらは、南壁面上部を撮ったもの。クリックすると拡大しますので、ご覧になってください。面白いでしょう?近くには、同じものが2つと見当たらないのも凄いことです。

今回は、実は予定外の説明になってしまいまいた。修復の話など面白くないので、しないつもりだったのに・・・。次回は、南扉口の説明をすることにします。

《関連記事》
ボーリュー② ボーリューの扉口の浮彫
ボーリュー③ サン・ドニの見本となったタンパン
ボーリュー④ 教会内部

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2008年11月20日 (木)

傑作イザヤの浮彫 Souillac④

Isaie ようやくこの有名な『イザヤ像』になりました。この像も見たかった彫刻の一つです。

ロマネスクの本を読んでいると、”あらゆる時代を通じて最高傑作の一つ”と評される『モワサックのエレミヤ像』と並べて説明されますが、それも、このイザヤ像が、モワサックと同じ工房の作と考えられているからです。

現物を見て、ああ、ここにいらっっしゃったのですか!と声をかけくなるほどでした。本で何度も見ていたので、初めて目にしたようには思えなかったのです。でも教会の内側のこのよう場所にあったとは・・・思いもしませんでした。やはり本物が本来の場所にあるものを見るのは、最高の喜びでしょうか。

それにしても平らな石の上にいながら、なんという動きのある像でしょう!ほんと、右下のすそが翻っているところなんか、躍動感が感じられます。頭を傾げ、体をねじり、左手を右側に寄せる構図なんて、誰が考えられるでしょうか?

聖人らしくないとさえ思えるほどです。でも見えませんが、頭と右手との間にちゃんと”YSAIAS”と文字が掘り込まれているんですよ。

Decourisa 引き締まっていて、かつしなやかで肉付きのある体のイザヤは、小冊子によると、マントのすそが広がるほどはじけ踊って、歓喜を表しているのだそうです。聖書でイザヤの部分は読んでいないのですが、彼の預言どおり敵軍に奇病が流行し、ユダの国が救われたのを喜んでいる場面でしょうか?

左はイザヤの着衣の左下、広がっているマントのすそを拡大したものですが、とても繊細に掘り込まれているでしょう?体に密着している衣服の流れる様子も美しいです。

ほんとはモワサックのエレミヤもアップしたいところですが、やはりエレミアの像のほうがあまりにも優雅で美しく、このイザヤの影が薄くなってしまうので、すみませんがやめておくことにします。

Abside1_2

このアプシスのそれぞれの柱には、10世紀から12世紀に作成され、18世紀に修復された小さな柱頭彫刻がならんでいました。(写真はすべてクリックすると、拡大します。)

Chapit4 Chapit3

左は、”ダニエルとライオン”、右は、小冊子によると、”植物の間から出ようとしている老人”と説明されています。

Chapit2 Chapit6_2   

左は植物ですが、よく見ると、葉の一枚一枚の模様が異なっていて、葉の淵や丸い表面も細かな模様が入っています。右の写真は、”受胎告知”なのですが・・・分かりにくくてすみません。左は背中に羽を持っている大天使ガブリエルで、右手で祝福を与えているようなしぐさをしていて、右のマリアは全てを受け入れるかのように俯いています。

そうそう壁のコーナーに、次のような面白い表情の彫刻もありました。

Ecoincon2  Ecoincon1

写真の画質が悪くてすみません。写真の知識がなくて、ASAだけを上げて撮ってしまったのです。ホワイトバランスを上げればよかったのでしょうか?少しは写真の勉強をしなければ・・・) 

きっと書き足りないこともあると思いますが、スイヤックSouillacはこれで終わることにします。

関連記事:驚くべき柱彫刻 Souillac ①
       柱彫刻の説明修正 Souillac ②
       タンパン:テオフィロスの伝説 Souillac ③

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2008年11月16日 (日)

聖母だけを讃えた最初のタンパン スイヤック③ Souillac

昨日のこと、久しぶりにしたゴルフの打ちっぱなしから帰ってきた夫に何気なく尋ねました。「どうだった?」「大変だよ!」「どうしたの?」「ボールが当たらないんだよ・・・」「えっ?」 一応これでも、若い頃からゴルフはしているのですが・・・

スイヤックの話を続けたいと思います。

Soui_map 過去2回(Souillac①,  Souillac②)の記事を見てみますと、あの衝撃的な柱彫刻に話が集中してしまっていて、まだスイヤックの場所も内部の写真もアップしていませんでした。

この教会の正式名称は、SouillacのAbbatial sainte marie、場所はフランス西南部でして、南はカオール、トゥルーズと道が続いています。カオールの教会にもこのSoullacと同じようにドームがあり、さらにフレスコ画や回廊もあってとても気に入りました。ここも早めに書きたいと思っている教会です。(といっても、何時になるやら・・・)

Chevet01 この写真では、屋根のドームが見えますね。同じような形のドームがあと2個後ろに繋がっています。後陣の外観は、円形の屋根を持った小祭室を持っっていて、一見オーヴェルニュ地方のにも似ているように思えますが、あまり装飾がありませんね。でも、シンプルに整っていて美しいです。

身廊に沿った外壁は、平面的で要塞のように直線的に高くなっていて、味気なく感じたのですが、これも修復したためでしょうか?

Soui_inte3 教会の横から入る入り口も、2回の記事に示したように味気ないものでした。さらに右の写真のように、教会内部もさっぱりしていますが、大きなアーチの中に3個の小さなアーチが収まっていて、それなりにハーモニーを保っています。(右の写真は、祭壇あたりから出口方向を撮ったものです)

でも、内陣に面白い柱頭彫刻がありました(次回写真をアップします)し、パイプオルガンの下には、今まで書いたような柱彫刻と、今日お話したい、かつて破壊以前はタンパンであった浮彫りがあるのです。

エミール・マールによれば、元はもっとたくさんの彫刻があった中の一部分なのだのそうで、その価値は、”聖母マリアだけを讃えた最初の彫刻だ”、という事なのです。

Soui_timp1

両側に座しているのは、向かって右側にSaint Pierre(聖ペトロ、右手に鍵を持っている)で、左側がSaint Benoit(聖ベネディクトゥス、右手に杖を持ち、左手には彼が書いた修道院の戒律本を持っている)です。

問題はこの中央の彫刻でして、題は「テオフィロスの奇跡」と言い、東方から伝わり、13世紀には非常に有名になった題材なのだそうです。内容は、マールに書かれているのと、現地で購入した小冊子の状況設定が少し異なるので両方書いておきます。

Theophile04 『修道士テオフィロスは、Adana de Cilicie(地名らしい)の教会の会計係をしていたが、新しく赴任してきた司祭によって解任されてしまった。役職に戻りたい彼は、悪魔と関係を持ち始め、権力と彼の魂とを交換する契約を結んでしまった。(マールでは、助祭だったテオフィロスが、自分が仕える司教の地位を奪いたいと願い、悪魔と契約した、となっている)。

彼は職務の復活と共に栄光に満ち溢れたにも係わらず、不幸、不安の苦しみや後悔にさいなまれ、断食を始め、さらに聖母マリアに助けを求めた。すると、彼女は悪魔から契約の巻物を取り返し、彼に返したのだった。』

これを”聖母の奇跡”というのだそうです。右の画像の上方、雲間からたくさんの天使に支えられてマリアが降りてきているのが見えます。

上部にある雲が劇場を飾る幕のように見え、そこから現われるたくさんの天使が、マリアの出現を劇的場面に仕上げているようです。

Theophile02

上の写真右側では、悪魔がテオフィロスの手を包み込むようにしています。これはテオフィロスが悪魔の家臣になった事を示しているのだそうです。左側では2人が、巻物状の契約書をめぐって交渉しています。大きくした映像を見ると、ほんと、怖そうな悪魔ですね。

エミール・マールは「ロマネスク図像学下」の211ページで、悪魔について次のように書いてます。

『悪魔は干乾びた死体に似ていて、羊皮紙のような皮膚の下に骨と筋を浮かび上がらせている。彼は死者の世界から来たかのようである。その顔はもはやどこをとっても人間のものではない。膜が顎と首をつないでいて、まるでひき蛙のようである。鼻は牛の鼻のように広がっており、恐ろしい目は眼窩の奥にはめ込まれている。背中についた小さな翼は、今は獣以下の存在になったこの怪物が、かつては天使であったことを思い出させる。』

なかなか終わりません、このSouillac・・・くどくど書きすぎるのがいけないんですね・・・。次回、イザヤの浮彫と内陣の柱頭彫刻の写真で終わらせることにします。

スイヤック関連記事:
   驚くべき柱彫刻 Souillac①
   柱彫刻説明修正 Souillac②
   イザヤ像と柱頭彫刻 Souillac④

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2008年9月21日 (日)

驚くべき柱彫刻を持つスイヤック② Souillac

Soui_port_ex 教会内側出口の左側に、絵葉書と一緒に忘れ去られたように売られていた小冊子”SOUILLAC abbatiale sainte marie”を買っていました。薄くて表紙は色あせているし、ぱらぱらとめくると写真は白黒ですし、とにかくあまりぱっとしない本・・・気乗りのしないけれど、周りにお店があるがあるわけでもないので、その本を買う事にしたのです。こういう訪れる人も少ない小さな教会には、売店は普通ありません。脇にあった小さな小銭入れに、お札を押し込みました。(右上の写真は、教会入り口です。)

内容は全く期待していなかったのですが、丁寧に読むと面白い情報がたくさん書かれているのでびっくり。これならば、初めからこちらを読んでから書けばよかったと後悔した次第です。。

申し訳ないのですが、この小冊子を訳しながら、前回同様この比類なきすばらしいトリュモーTrumeauの説明をまとめていきたいと思います。当然修正も加えながら・・・(彫刻の全体像は、前回の記事を参照してください。)

右面は、てっきり戦っている場面かと思っていましたら、なんと《(宗教上の)罪(Péché)》を表しているのだそうです。7つの大罪ですね。そして正面に描かれているはその《罪の結果》、そして、左面は、《罪の贖罪》。そうだったのか!と納得です。

Trum_droit1_2 先ず右面の一番上の二人組み(左の写真)の説明から。写真がぼけていてすみません。暗いところ用の設定を忘れていたために、上手に撮れませんでした。

年配らしき人が、若者の頭を両手で押さえています。若者(右側)は、押さえつけられている為に首は前に垂れ、両手は体の前で合わせて、許しを請っているのか、お祈りしているかのように見えます。

そして前回も指摘したように、年配の人の首には、鋭いくちばしが付き刺さっていて、頭は苦しそうに後ろへ反り返っています。これは、人を抑圧している姿と、もう一人は侮辱されている姿を表しているのだそうです。

Trum_droit2Trum_droit3 真ん中(左の写真)と一番の下(右の写真)の組み合わせは、男女なんですって。私はてっきり男同士で戦っているのかと思っていました。

確かに、激し戦いでもなさそうですし、一方の体つきは柔らかそう。二組の男女とも上半身は裸で、顔のしわから判断して、真ん中の男性のほうが下の男性より年配のようです。

さらによく見ると、2番目の年配の男性の表情は少し苦しそう、なんと彼の首には、紐がかかっているのです!こ、これは、何を意味するのでしょう?愛欲からは逃げ出せない”業”を表しているのでしょうか?

要するにこれら右面の彫刻は、傲慢、抑圧、色欲を表現しているのだそうです。ミシュランでは、単に”煩悩”と書いていたけれど、詳細はこういうことだったのですね。

Trum_gauche_2 さて、次は正面。何度見ても、この彫刻には圧倒されます。左の写真は、出口に向かって左側上部にある、たったこれだけの高さしかない彫刻ですが、主題は同じで、上部の羊に2匹のライオン?が噛み付いています。このライオン、バツ印に交わった構図とか、お腹に乳首が見えるなど、モワサックのと全く同じです。でもモワサックのは構図の美しさ、エレガントさが見て取れますが、こちらは見事に獰猛さが強調されています。

これらの混沌とした彫刻群は、憤慨、混乱、憎悪など、罪の一連の結果を私達に見せているのだそうです。それらは、ライオンやグリフォンの襲撃、4足の鳥(なんと4足獣だったとは!)の貪り合いなどで象徴されています。

Trum_cen2 これらの今まで見たことも無いような異常な絡み合いは、混沌の世界から来る不安だけでなく、ガゼルや手足を失った犬、鳩、そして人間も含めて、犠牲者(動物?)が感じる恐怖をも感じさせているのです。

Trum_cen1 一番上で、お腹をハゲタカに襲われている人間は、な、なんとよく見ると、頭が猛獣の口に噛まれて砕かれそうなのです。あまりにも高いところにあるので、実際にはよく見えないのですが、撮った写真を見てびっくり。こうなっているとは・・・

破壊される以前は、入り口の中央にあったわけで、そのときははっきりと見えたことでしょう。こういう風にお腹を猛禽に啄ばまれている人間をみると、西洋の人はすぐに、ギリシャ神話のプロメテウスを思い浮かべるらしいのです。

人間に”火”を与えたためにゼウスの怒りをかい、山に繋がれ、毎晩大鷲に肝臓をついばまれる運命になったプロメテウス。しかし、彼は不死身の身ゆえ、夜中に治ってしまうので、また次の日、肝臓を食べられるという永遠の苦しみを味わうことになるのです。彼主題の絵は、よく見ますよね。

さて、最後の左面は、前回説明したとおり《イサクの犠牲》でして、その内容も同じようなので、こちらは省略させていただきます。

スイヤック関連記事:
   驚くべき柱彫刻 Souillac①
   タンパン:ティオフィロスの伝説 Souillac③
   イザヤ像と柱頭彫刻 Souillac④

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2008年9月14日 (日)

驚くべき柱彫刻を持つスイヤック① Souillac

私は急いで探したのです・・・何処にあるの・・・あの複雑に込み入った彫刻の柱は・・・

教会の入り口の外側にあるはずと、建物の外側をうろうろ探したのですが、見つかりません。ここまで乗せてきてくれた親切なタクシーの女運転手さんに尋ねると、彼女は、「じゃ、私は向こうの広場でコーヒーを飲んでるから。」とさっと背を向け、立ち去ってしまいました・・・

いったい何処?ただただそれを探して教会内に入り、急いで視線を内部全体に走らせたのですが、ない!どうしてないの・・・、と少し歩き始めて、ふっと入り口を振り返った時に、”あーっ、こんなところに!”

Porte2

想像もしていないところ、上の画像のように教会入り口の内側にあったのです。有名なねじれた体のイザヤもその柱のすぐ後ろに見えました。
(この入り口の向こうは、屋外ではなく、ナルテックスのように別の部屋になっています。)

Trum_droit タンパン彫刻も、普通は入り口外側の上部にあるのに、ここは内側にあるのです・・・それが、とてもとても不思議でした。宗教戦争などで壊され、修復時に内側に設置し直したのかな?と推測したのですが、後で調べると、はたしてその通りでした。

こういう教会入り口の中央に設置されている柱は、フランス語ではトリュモー(trumeau)と呼ばれるそうです。何はともあれ、とにかく何が彫られているのか知りたくてたまらないでしょう?

正面は、動物や鳥が絡み合ってお互いを銜えている様子ですし、右側は、人間が戦いあっている場面ばかり。そして、左側は人間が逆さまに彫られていたりして、ほんとうにわかりません。

ミシュランによると、トリュモーの右側には、人生のそれぞれの時期に次々と訪れる煩悩が描かれていて、正面はその煩悩の結果(お互いを貪り食う怪物たち)が描かれているのだそうです。

へーっ、煩悩・・・右の写真が柱の右側なのですが、暗いし近すぎていてよくわかりませんね。すみません、下手で・・・。2人ずつ戦っているペアが上から数えて3組彫られているのですが・・・

Trum_droit2

右の写真の一番下の争いは、髭を生やし、髪も少しずつ束ねた老人と精悍な若者が組み合っています。
左の写真は、真ん中の争いで、髭を伸ばした年配者と、髪を菩薩さんのように丸くいくつかにまとめている若者が組み合っています。

一番上の組み合わせが一番面白くて、髭の老人が、両手を祈るように前で合わせている女性のような表情の若者の髪を掴んでいるのですが、なんとその老人の上にはワシがいて、そのワシの鋭い爪が老人の首に突き刺さっているのです。おお、これは何を表しているのでしょう?!

購入した小冊子に寄りますと、こういう争いの表現は、典型的な”不調和”を表しているのだそうです。その結果、次の正面の写真のように、次から次へと争いの連鎖は化学反応のように広がり、”相手を銜えていると思っても、別の相手から銜えられている・・”という戦いばかりの世界が出来上がっていくんですね。う~ん、考えさせられます。

Trum_cen4_3 Photo

正面の彫刻には、人物はたった一人、一番上にしかいません(左の写真)。彼は、大きな鋭いくちばしについばまれていて、困った顔をしています。大きなくちばしから考えると、この生き物は鳥のように思えますが、よく見るとなんと四足動物なのです。

正面のもう少し下は、写真が悪いので、以前アップしたパリのLe Musee des Monuments francaisで撮ったのをまたアップします(右の写真)。掴み掴まれ、噛んで噛まれて、食って食われて・・・ほんとに信じられないくらい見事に絡み合っています。

Trum_gauc_isac そして最後に柱の左側は、分かりやすい《イサクの犠牲》(右)です。ようやく聖書の場面が出てきました。現地での写真は、非常に分かりにくい(私の腕が悪いため)ので、パリの Musee で撮った写真をアップすることにします。

髭の長い人が左手で若者の頭の髪を掴み、右手を振り上げています。まさに、殺そうとしている場面ですが、若者は、静かに目を瞑り、相手に身を任せています。

まさにその時、空から天使が舞い降りてきて、アブラハムの手を止めています。そして、天使の左手には、代わりの羊まで連れてきています。

写真を大きくしてみると、この天使も羽が付いていました。初めは、さかさまの人物がいるので、何をしているのだろうと不思議でしたが、納得です。

こんな細く限られた場所に、よくこんなに上手く物語りをはめ込んでいますよね。もう感心ばかり。

さてここで、一番上の写真に戻って、ぼーっとトリュモーを眺めていただくと、なんとなくいくつかの×(バツ)印が見えてきませんか?

Moi_pilier1_2 そう!エミール・マールによると、これは、モワサックのトリュモーと同じ芸術家グループの作品なのだそうです。この優秀なグループは、モワサックの後、ボーリューで作成し、その後このスイヤックでもすばらしい仕事を成し遂げたのです。

左は、同じくパリのMuseeで撮ったモワサックのトリュモーです。
確かに似ていますが、スイヤックのtrumeauは、モワサックのより深く複雑に掘り込まれていますね。こちらの生き物は、メスのライオンばかりで、少し口を開け目は鋭く顔は怖そうで、お腹には複数の乳房があります。どうして、雄ではなくて雌なんでしょうね? 

 

この教会の正式名称は Ancienne Eglise Abbatiale Sainte Marie de Souillac スイヤックの聖マリア旧大修道院付属教会、きっと、”スイヤックの教会”でいいと思うのですが。

この記事の最後に、教会の外観をアップしておきます。入り口は、この建物の右にある細い道の先、左側に入り口があります。歴史やタンパン、また教会内部については、次回に書くことにします。

Soui_ext

《スイヤック関連記事》
  柱彫刻説明修正  Souillac②
  タンパン:ティオフィロスの伝説 Souillac③
     イザヤ像と柱頭彫刻 Souillac④

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