イタリア最初の世界遺産:ヴァルカモニカの岩絵群
岩の上に描かれている絵が、お分かりになるでしょうか?ちょっと見慣れるまでに時間がかかるかもしれません。私も始めは分からず、何処にあるの?と主人と二人で一生懸命探してしまいました。そして、目が慣れてくると、ああ、ここにもあそこにも、という具合に見えてきたのです。
角のある動物とか人間も見えますよね。これがカモニカ渓谷で見られる、前期青銅器時代(紀元前1800年)から鉄器時代(前900~200)に描かれた絵なのです。先のとがった釘状のものでうがった穴を連ねて絵を描く技法によって彫られたのだそうです。
イタリアでこういう前史時代の絵が見られると知ったのは、昨年10月から始まったNHKイタリア語講座「世界遺産を巡る旅」ででした。その初回がこのカモニカ渓谷の岩絵だったのですが、結構イタリアの事は知っていると思っていたのに全く初耳のこの話には、とても興味を持ちました。
しかも先生が、「掘りが浅い上に、常に風雨にさらされているので、いつか見えなくなるかもしれない」などと、危機感ある意見を述べられていたので、私は決心しました。絶対見に行こう!と。
2009年4月現在、イタリアには43のユネスコ世界遺産が登録されているそうですが、このカモニカ渓谷の岩絵群は、数ある遺産の中で、イタリア最初に指定された貴重な世界遺産です。正式名称は「ナクワーネ岩壁彫刻国立公園 Parco nazionale delle Incisioni rupestri di Naquane」。
ミラノの東にあるブレシアから北のほう全体がカモニカ渓谷でして、岩絵はこの広い地域に点在しているそうで、メインの場所の町の名は、Capo di Ponte です。
きっとブレシア方面から来ると案内板もあったのかも知れませんが、私はサンモリップからの帰りに寄ったので、北から車で来たために、なんの看板もなかったのです。
どう行けばいいのかさっぱり分からず、Capo di Ponte の町(というか村に近い)に入り、水場のある小さな広場にいた人に尋ねました。「カモニカ渓谷の岩絵は、どう行けばいけばいいんですか?」と。
すると、そこにいた叔父さんとおばさんは、お互い顔を見合わせてにやっとし、「ここには、あちらこちらにあるから・・・」と、お互いにどの場所を教えようか迷ったようでした。そのうちおばさんが家に入り、また出てきて、パンフレット(上の画像、左側が北)を出し、「ほら、沢山あるでしょ?ここが大きいわよ。」と左下の国立公園を指差しました。
「Si,Si」と私が喜んで答えると、二人は争うように話し始め、結局おばさんの方が強く、「あなた、黙っててよ。私の言うのが正しいんだから!」見たいな事を言って、後はおばさんだけがしっかり説明してくれたのです。やはりイタリアはマンマが強い!
教えられたとおり、上の図で右下の教会を廻ったあたりに着いたのですが、道はとても狭く、とてもこれ以上進めないと判断し、また私が車から降りて、近くの人に聞くことになりました。もう、いつも訊いてばかりです。「車で国立公園の入り口まで行けるのですか?」、答えはノー。駐車場はなく、このあたりに車を止めて、歩いていかなければならないのだそうです。(左は、入り口までの道、10分程)
そして、公園の中は右の図のようになっていて、山の中に散らばっている石を順に見ていくようにルートが示されています。番号が振られているので、迷わないようになっていますから安心を。
NHKの本には、「線刻画には、動物、狩り、舞踊、祈り、農業、航行、戦い、魔術などのテーマが描かれています」と書かれていましたが、実際に見ると、人とか動物の形は見分けがついても、そのほかは分かりません。しかし、それぞれの石には、右下のようなイタリア語と英語で書かれた説明板が立っていて、ゆっくり読めば何が書かれているのが分かるようになっています。(画像は全てクリックしますと拡大します。)
この説明と同じ内容の本(イタリア語のみ)が、入り口近くの売店に売られていたので買ってきたのですが、それを入れてくれたビニール袋の絵が良かったので、ここにアップしておきます。
今年2009年という年は、1909年のこの岩絵が始めて公に認められてから100年、そして、1979年にユネスコから世界遺産として認められてから30年という年に当たるのだそうです。結構いい記念になるかも!
それにしても不思議ですね。どんな時代でも、人間っていろんなメッセージを残そうとするんですね。イタリアに住んでいた、エトルリア人以前の古代民族「カムーニ」の日常生活を少し感じられて、満足してこの公園を後にしました。
今回、初めてグーグルマップを入れてみました。どんどんマイナスをクリックしていくと、広域地図になり、Capo di Ponte がイタリアのどのあたりかが分かると思います。
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