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2014年7月 5日 (土)

コソボのビザンチン2 プリズレンの生神女教会

コソボは、2008年にセルビアから独立したイスラム教徒の小さな国。首都であるプリシュティナから車で2時間も走れば、国外に出てしまう程。独立したものの、産業といえるものはほとんどなく、失業者は50%を超え、海外で働いている人の送金と、他国の援助によって支えられているとか。

コソボとしての文化的遺産はほとんどなく、南部のプリズレンが古都として美しさを残しているものの、世界遺産に指定されているのは、すべてセルビア正教の修道院ばかり。つまり、イスラム教徒の国に、セルビア正教の修道院が点在していることになり、やはり破壊の対象となるわけです。現在でも、コソボ西部にある世界遺産のデチャニ修道院やペーチ総主教座聖堂は、国連のイタリア軍に守られており、また今回アップするプリズレンの教会は残念ながら、破壊されてしまったのです。

美しい観光都市プリズレン。川の両側に町は広がり、遠くに城壁が見え、素敵なレストランが並んでいました。

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しかしほんの10年ほど年前にこの町で、旧市街にある”リェヴィシャの生神女教会”は放火され、フレスコ画は大損害を受けたのです。それも仕方ありません。長い長い歴史の中で、コソボあたりに住むアルバニア系の人たちは、セルビアから屈辱的、差別的生活を強いられていたのですから・・・。

残念ながら、内部は見学不可能状態が続いておりまして、周囲は網や有刺鉄線が張り巡らされているため、外観しか見られません。側面の写真は、細い横道に入ったところから他人の庭のようなところから塀越しに撮りました。曇り空だったので、暗い写真しかありません。午後はカラッと晴れたのですが。

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積み上げられたレンガの模様は細やかな変化があり、丁寧に建設されたことがわかりますね。小塔あたりを見上げても、側道から見る側面も、ほんとうに凝っていて繊細で美しくできています。

下の写真は、正面のエントランスの網目越しに撮ったもの。キリストの顔が見えます。窓や正面入り口の暗い中をよ~く見ると、描かれている壁画が見られました。早く内部も見られるようになるといいのですが、内部を修復しているような気配は感じられませんでした。

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11世紀に建設された教会を、14世紀初頭に増築。フレスコ画は、その頃描かれたそうですが、オスマントルコ時代に、当然のことのように傷をつけられ、その上に漆喰を塗られ、20世紀半ばにフレスコ画が発見されたのもつかの間、内乱開始後、ドイツ軍がこの教会を守っていたにも関わらず、またもやセルビア人の攻撃に対する復讐のようにアルバニア人たちによって破壊されたのです。

危機遺産に指定されている教会。修復するには、費用とともに周囲の理解が必要だと思いますが、それも難しそうです。まさに典型的な危機遺産の一つですね。

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