《Ou on va, papa?》を読んで
「すぐ読める本だから、読んでみて」と、ポンと友人から渡された右の、Jean-Louis Fournier著『Ou on va, Papa? 』((僕達)、どこ行くの?パパ)という本。昨年(2008年)、”PRIX FEMINA”という賞を獲得したという。
PRIX FEMINAという賞は知らなかったので、調べてみると、雑誌FEMINAが雑誌LA VIE HEUREUX協力の下、1904年、ゴンクール賞に対抗して創立された賞なのだそうだ。審査員は賞の名前の通り、全員女性だとか。
この本、昨年8月20日に発刊された直後から、出版のStock社にはメールや手紙が押し寄せ、瞬く間にフランス中を感動の渦に巻き込んだのだそうだ。
女性達がこの本を選んだ理由は良く分かる。これは、生まれた子供が二人とも重度の障害者だった父親の、長年の心情が書かれている本なのだ。
連続する日々の生活は、想像を絶する状況だったのだろう。しかし、作家でありまたテレビのディレクターでもある彼は、母親が子供を見る姿勢とは少し異なり、一歩引いた見方で、厳しい現実や絶望、そして子供へのかなわぬ夢までもさらりと書き流している。
この本を実際に障害者の子供を持つ親が読んだら、どう思うだろう?反感を感じる箇所も沢山あるように思われる。難しい・・・
しかし、これがもう白髪になってしまった彼の、長年悩み苦しんだ後の素直な赤裸々な声なのだと思った。
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もし、彼らが文字を読めるようになったら、先ずタンタン(有名なかわいい漫画)を買おう!そして”Signe de Piste”シリーズ(少年冒険小説らしい)、そしてアレキサンドル・デュマ、ジュール・ベルヌ、それからプルースト・・・
しかし、彼らは決して読むことはできないだろう。たとえページの上の文字がはっきりしてきても、彼らの頭の中では、それらはぼやっとしているだけなのだろう・・・
・・・ 彼は、それらを絵と思っているのかもしれない・・・それとも、蟻の子供と思っているのかもしれない。彼はそれらをつぶそうとして手を伸ばしても、それが逃げないので不思議に思っているようだ・・・
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私は、『ハンディキャップ handicape(フランス語的スペル)』という言葉が好きではない。だって、それは英語の言葉だし、『帽子の上の手』という意味じゃないか。
『異常 anormal』という言葉も好きではない。それは特に子供に使われる。
『normal 普通、標準』というのは、どういうことなのだろう?あるべきなように、存在しなければならない、つまり、平均、普通、凡庸であるということか。私は、『普通』が好きではない。それより上か、下でも良い。とにかく、他のみんなとは違うのが良い。
私は、『他の人のようではない』という表現を使いたい。だって、私はいつも他人が嫌いだから。・・・
・・・ 私が子供達の事について話すとき、彼らの事を『他の人のようではない』子だと話す。なんとなくはっきりしない表現だが。
アインシュタインもモーツアルトもミケランジェロも、他の人たちとは異なっていた。
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なんと彼の奥さんは、3人目を妊娠し、迷った後生むことにした。そしてかわいい女の子の誕生!ブロンド髪のかわいい正常な赤ちゃんだった。そしてその後、なんと母親は子供達の元を去ってしまうのです!
しかし、彼は奥さんに対して泣き言一つ言わず、たださらっと”去った”とだけしか書いていない。他の辛いことも淡々と書き流している。
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Mathieu(長男)は、背中がどんどん曲がっていった。金属のコルセットを巻いていたのだが、何の足しにもならなかった。そのシルエットは、土を掘り続けた人生を送った田舎の年老いた農夫のように見えた。彼を散歩に連れて行っても、彼は足元しか見えない。空を見るなんてとてもできないのだ。・・・
それでも曲がり続け、とうとう肺を圧迫し、呼吸も困難になってしまった。背骨をまっすぐにする手術を受けなければならなかった。
手術は行われ、彼はまた完全にまっすぐになった。(il est totalement redresse.)
3日後、彼はまっすぐのまま亡くなる。(il meurt droit.)
結局、彼に、空が見えるようになされたはず手術は、成功したのだ。
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なんとも辛いでしょう・・・この表現。女性だったら使えないですよね。
文章が短く、簡単な単語ばかりなので非常に読みやすい上に、紙上に余白が多いので、ゆったりした気持ちで読み進めることができます。わかりにくい所は読み飛ばせばいいので、初中級も十分に味わえる本ではないでしょうか。ただし、現実ではない想像が多いので、条件法を習っているとそのニュアンスの違いが非常によくわかります。
ちなみに、この『Ou on va, Papa?』という題は、次男のThomasが声として発することのできる唯一の文章です。
(しばらく書きません、と言っておきながら、すぐ書いてしまうところがいやですね、全く・・・。でも、ちょっと良い本だと思ったもので、書いてみました。また、気分転換にもなりますし・・・)
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