美しいフレスコ画のクリプタを持つサン・フェルモ・マッジョーレ教会② Chiesa di San Fermo Maggiore a Verona
これは、サン・フェルモ教会北側側面です。上下2つの入り口が見えることから、2つの階があるのがわかります。以前は、この道路から直接下層階のクリプトへ行けたのですね。
現在は、一旦教会へ入り、祭壇向かって右側(つまり、この画像の面と反対側)から下へ降り、一旦外気を味わい、また別の入り口からクリプトへ入るようになっています。以前lここへ来た時は、クリプタがあるのを知らずでてきてしまい、残念に思っていました。今回、見ることができて、ほんとうによかったです。
一旦、外に出ると中庭が見えるのですが、ここには作業道具が置かれていたり、数台の駐車があったりと、一瞬興ざめ。しかし、降りてすぐ左に廻ったところに、素敵なフレスコ画がありました。ちょっと死角になっているので、見逃す人も多いかもしれません。
気品のある聖母子です。購入した小冊子によりますと、14世紀の地元のジョット派(Giottesco)の作品だそうです。
そして、その下ある石棺は、法学者アントニオ・ペラカーニのお墓だそうで、その浮き彫りは、生前の彼の姿、つまり、生徒達に講義を行っている場面を表しているのだそうです。ノートを前にして頬に手を当てていたり、指をさしていたりしている生徒達の様子が微笑ましくて、思わず写真を撮ってしまいました。
さて、いよいよクリプトに降ります。細い階段の壁にもフレスコ画が描かれているらしく、数人の女性が何かを吹き付けたりして、修復作業を行っていました。
うわっ、素敵!!!いつもこんなに明るいほか、それとも、当時は内部も修復中だったので、作業の為に特に明るくしていたのかわかりませんが、とにかくフレスコ画の赤の色が鮮やかに見え、素敵な空間を作り出していました。
ここで、少しこの教会の歴史を勉強をしておきましょう。手渡されたパンフレットとクリプトの掲げられていたプレートの説明に寄りますと、304年アディジェ川の岸で殉教した聖フェルモと聖ルスティーコに捧げて、5世紀ごろヴェローナの初期キリスト教団が小さな礼拝所を建てたのが始まりだそうです。
右はクリプタ平面図で、黒い壁が現在の形、薄い黄色の四角い部分が、5世紀の建物跡です。
殉教した聖人の聖遺物は、先ずアフリカの初期キリスト教団へ預けられ、その後、カポディストリア(Capodistria 調べてみましたら、スロヴェニアの街の名のようです。ここにはイタリア人が多く住んでいるのだそうです。)に移されたのだそうです。
755年、当時のヴェローナの司教サン・アンノーネ(S. Annone)は、大金を払ってその聖遺物を購入し(修道士カドフェル・シリーズの「聖女の遺骨求む」を思い出しますね。)、初期の建物に半円形の遺骨納室を作り、その中央に石棺を聖遺物と共に収めたのです。(上の平面図で、中央にある濃い黄色の半円形の部分にあたります。)
1065年から1143年にかけて、ベネディクト会が、当初2つの教会であったものを1つに統一する形で、下層階は聖遺物を保管するために、そして上階はキリスト教の宗教的儀式を行うために、より大規模なロマネスク様式の建物に再建しました。
1261年、フランシスコ会に代わり、1350年までかけて上層の教会を現在の形であるゴシック様式で広い身廊に変更し、見事な後陣を付け加えたのです。さらに、年月と共に教会内部には礼拝堂や祭壇、記念碑的作品などが加わっていきました。
1759年、アディジェ川の氾濫により、聖遺物と石棺は、上層の教会の主祭壇に移されたのですが、その際、それまで手付かずだった石棺を飾っていた周囲の石材が、なんと売られてしまったのだそうです。
2004年、聖フェルモと聖ルスティーコの殉教1700年祭に際し、地下の考古学調査を行ったところ、5世紀の遺骨納室の残がいが発見されたのだそうです。クリプトの壁には、発見された状態の写真が展示されていました。
ここに描かれているフレスコ画は、12世紀から14世紀の作品だそうで、確かに筆のタッチが異なる絵があるのはわかります。残念ながら、柱の下の方は、度々の川の氾濫により、絵がなくなっている部分も多いのだそうです。
有名な作品は、キリストの洗礼の場面だそうですが、私は見ていません。3番目の左の柱らしいのですが・・・。あの暗そうな場所だったかも・・・とにかく残念!
これは下層階の祭壇です。中央の木製の十字架は、14世紀のもの。
1807年8月30日、5世紀以上に渡ってこの建物を守ってきたフランシスコ会は、この修道院を放棄します。この時点で、ここは単なる小教区の教会となりました。
さてそろそろ、上の教会を見に行きましょうか!また階段を登っていきます。下は、出入口のあたり。こういう、フレスコ画で溢れた空間って、惹かれます。
サン・フェルモ・マッジョーレ関連記事:美しい天井
上層階内部とピサネッロ
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コメント
なんと明るいクリプトなんでしょう。
びっくりします。
イタリヤの教会は,石のせいでしょうか
フランスの教会に較べてスマートですね。
今回も楽しませてもらいました。
投稿: yoku | 2009年2月20日 (金) 19時00分
ほんと、明るいでしょう?
フランスの、あの薄暗くてちょっと湿り気を感じるような雰囲気が、イタリアにはないのです。修復の手を加えているからなのでしょうか?
確かに石の色が違いますよね。あと、現在もクリプトをミサとか修道士達が使用しているという理由もあるかもしれません。
とにかく、この明るさは見ていてとても楽しいです。これも、イタリア人の性格から来るのでしょうか?
いろいろな違いは面白いですね。
投稿: Cojico | 2009年2月20日 (金) 23時03分