印象的な色 田村能里子の絵
(旅行の話をするべきところなのですが、写真の整理が上手くいかないため、また後ほど書くことにします。)
私はこの画家の名まえも作品も全然知りませんでした。9月下旬、日本橋高島屋の展覧会のパンフレットを見てその色の派手さに惹かれて見にいったのですが、これが、大本山天龍寺塔頭宝厳院本堂再建襖絵だそうです。
http://tamuranoriko.yukigesho.com/info20081.html
すごいでしょう?展示場では、こういう立体的な展示ではなかったのですが、とにかく私は初めてこのオレンジ色に覆われた絵を見てびっくり。禅宗の建物にこの赤色の襖!
寺社に赤、というと、銀閣寺の奥田元宋氏の襖絵(私は数年前、特別公開日に実際に見てきました。)を思い出すのですが、あの絵は、彼のいつもの衝撃的な赤よりは少し落ち着いて見えました。
田村氏の経歴を見ると、日本各地に壁画を描かれていらっしゃる。メルヘンチックなものもあれば、強烈な赤が印象的なのもあり、どれも非常に明るく、見ている側が楽しくなる壁画ばかり。
それらの作品と比べると、今回の襖絵は色数が少なく、静けさというか、音の無い世界が占めていました。人々が向かい合って話している様子なのに、声は全然聞こえない。人々の周りには、風が舞っているように見え、砂漠という過酷な大自然の中のにいる舞台だからなのか、それとも彼女の絵の具の塗り方からくるのか、女性の表情から来るのか、私にはわからない。とにかく、静かな感じ。
砂漠というだけでとてつもなく広大で過酷な世界を想像してしまいますが、そのイメージと沈黙の世界がぴったりと一致。
座っている女性が祈りの姿にも見えますね。思った以上に、いいのかもしれません。でも・・・夜見ると、どのような雰囲気になるのでしょうか?白い人物が浮き出て見えるのでしょうか?オレンジ色が血の色には見えないのでしょうか?想像すると、ちょっと怖い感じ?
後半は彼女の1978年から最近までの絵が見られるのですが、これがよかったのです!佐伯祐三を思わせる味わいのある白い壁!その壁に広がる幻想的な世界。
インドの滞在経験が大きく影響していて、強い太陽を避けて座っている人々の姿が、幻想的な雰囲気の中で表現されていました。
特に印象的だったのは、女性や男性の足の裏!!!普通、画家でもそんなに人の足の裏を描く人はいないのではないでしょうか(カラヴァッジョを除いて)。彼女は、足首より下の部分を何度も書き直していて、非常な注意をもって描いているのが分かりました。
私もインドへ旅行していたときに、人々が普通の事のように地べたに座っている人たちを多く見ました。はだしの人たちも多いのです。ベナレスでは、細い裏通りを、はだしで牛の糞にまみれながら歩いている人を何人も見ました。また、ガンジス川へ続く道の両側に座って、物乞いをする多くの人々・・・
また、ごみ矯めで、(のら)牛や豚などが食べ物をあさっている横で、数人の人が食べ物を探している姿には、ショック!絶句!彼らは当然裸足です・・・ インド旅行で、私も人の足の裏を意識した一人でした。
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彼女は、壁画のように不特定多数の人が見る壁画においては、明るいリズムをデザインし、絵画においては、インドの空気感漂う幻想的な世界をかもし出しています。
女性の日本画家で、このように活躍されている方を知ることができ、ほんとうに満足して会場を後にしました。片岡珠子さんのように、精力的に作品を出し続ける画家になってほしいと思います。
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