柱頭が目前に置かれているモザックの教会 Abbaye de Mosac
お正月の連休中、主人は自分で撮ったビデオをDVDとして取っておく為に整理をしていました。コピーしている途中で、「これ、どこの教会?」と聞かれ、久しぶりに見たそのビデオ画面に、私は釘付けになりました。(右は絵葉書)
美しく彫刻されたとても大きな柱頭が、ビデオの中の私の目前に置かれていたのです。なんと丁寧に彫られた彫刻でしょう!しかも大きい、大人二人が両手を広げて囲めるかどうか、というぐらい。いつもは高所にあるので小さく見えるけれど、目の前にしたら、こんなに柱頭は大きいのだとびっくり。
町の名前はMozac(モザック、モザ?)。クレルモン・フェランから少し北西リヨン(Riom)という町の近くにある元修道院だったサン・ピエール教会でした。ほんとに小さな教会です。ステンドグラスも少しだけ、祭壇も立派とはいえません。訪問者もフランス人老夫妻が一組いただけでした。
でも、凄い!ほんとうに彫刻が美しい!身廊奥の床に置かれている柱頭には、兵士が盾を持ったまま寝ている姿、カタビラの服装が細かく彫られています。隣の面にある2階建ての家のようなものがキリストのお墓なのかもしれません。(左は絵葉書。実際は洗われ、白く綺麗になっていました。)
祭壇近くの床に置かれている柱頭は下からライトアップされていました。美しい女性が手にビンのようなものを持っています。また、裸の座っている男の人の口に手をやっている女性もいます。その横に羽の美しい天使。ミシュランによると、これは「キリストの復活」だそうです。女性の顔も美しいし、衣服のひだまで綺麗に彫られています。
ここにビデオをアップしてお見せしたいのですが、私にその技術が無く残念です。またこのパソコンも古くなってしまい、今はいろんな機能が限界のようなのです。新しいパソコンを買ったら、ビデオのアップも検討したいと思っています。 柱頭の写真も出せれば良いのですが、、相変わらず、私がドンと大きく写っていまして、アップすることができません。すみません・・・
さて、高いところにある実際の柱頭には、ケンタウロスが葡萄を取っているような彫刻、また人と木がからみあっているような彫刻、鳥と葉の構図などありますが、すべて見事です。(上は私の撮った写真)
もう一枚、絵葉書があったので、アップしておきます。何度でも言うようですが、きれいでしょう?彫が深く繊細に彫られているので、はっきりと美しく見えるのです。
ミシュランによると、メロヴィング王朝時代(7世紀末)に始まった古い僧院で、聖カルマンが創立し、1095年にクリュニー修道院の管轄となったそうです。
1477年と1490年の2度にわたる地震で崩壊するまでは、オーヴェルニュで最も美しい教会の一つだったそうです。その後も不運の連続で、1783年には雷による火事、続いて洪水にまで襲われ、1790年には革命の為、最後の6名の僧侶が去ってしまい、僧院から教会になったそうです。
現在残っている柱頭は46点。古さにおいても美しさにおいてもオーヴェルニュ随一で、11世紀末から12世紀半ばにかけて相当な影響力をもっていたある工房の代表作なのだそうです。こちらのページの下のほうを見ていただくと、柱頭の写真が見られます。(最初の写真が、私のブログの写真と同じなので驚きました。私は買った絵葉書をスキャナーで取ったのですが・・・。きっとこの町の代表的な絵葉書なのでしょうね。)
また、この教会には、実に古いタンパンがありました。これは、私が撮った写真です。かなりぼけていますね。クリックして拡大して見てくださると、もう少しはっきり分かります。どうみても、教会内部の柱頭の作成された年代とは異なるようです。
中央の玉座に座す聖母子、両側は聖人達でしょうか?左端のひれ伏す姿で表現されるのは、聖人ではないこの教会の重要な人物(絵画では、絵の依頼者など)なので、この教会の建立に貢献した人だと思います。
最後に、ガラスケースに入っていた七宝焼きの聖遺物箱(絵葉書より 確かこの箱の両側面のどちらかに、イソワール近郊で殉教した聖オストル・モワンヌが表現されているはずエス。)とモザックの町の地図をアップしておきます。
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コメント
ご無沙汰しています。
モザ(モザック)をはじめ、オーヴェルーニュ(ぎりぎりでコンクだけ)はまだ見ていませんが、建築も彫刻も素晴らしそうです。
昨年はいつもの旅行と違って、音楽祭のツアーで行きました。旅行会社主催ではないごく小さなツアーで、トゥルーズではサン・セルナンのガイドをすることになってしまいました。ミエジュヴィル門の彫刻が真っ白に洗浄されていたのにはびっくりしました。
その後、軽い気持ちでアリエージュ川を遡りアンドラに近いユナックの教会を見に行きましたが、嵐が来て真夏なのに電車に暖房が入るほど冷え込みました。教会は雨が降っても絵になる風景だったのが幸いでした。
投稿: Pirvs Lvdens | 2008年1月20日 (日) 11時33分
Pirvsさん、こんにちは。
コメントをありがとうございます。
夏の旅行にはどこへ行かれたのかなあ、と少し気にしておりました。クラシックのお好きなPirvsさんのこと、音楽旅行もロマネスクを訪ねるのと同じぐらい楽しまれたことでしょうね。
赤いレンガと切り石が交互に積まれている壁や柱のサン・セルナン・バジリカ聖堂の説明、壁画も含め私も伺いたいです。シュヴェの方から見る聖堂全体も塔を含めきれいですね。門の彫刻は、当然ですが黒かったです。
ユナック(Unac)という教会は知らなかったので探しました。こんな場所まで行かれたのですか!Foixのあたりは私もドライブしたことはあるのですが、どこへ行くにも大変不便な場所です。
Pirvsさんの旅には、いつもほんとに驚かされます。このあたりですと、夏でも天気の変化で寒くなるでしょうね。
ミシュランのLe Guide Vertを読みますと、谷間にある美しい教会だそうですね。嵐の中も格別だったでしょう。(割れた?)二つの大きな柱頭があると書かれていましたが、どのようなのだったでしょうか?
私の方は未定ですが、今年はスイスの南もしくはイタリア北部のロマネスク教会を見たいと思っております。もしそうなれば、pirvsさんのページを参考にさせていただきますね。
投稿: Cojico | 2008年1月20日 (日) 20時25分
こんにちは
東京は雪でしょうか。週末東京に帰る予定をしていましたが寒そうなので今週に・・。
風邪には気をつけてください。
モザの彫刻・神秘的ですね。オーヴェルーニュ地区は歴史があるので教会や修道院など魅力的なところがいつぱい。
興味大・・・次回は行きたいと思っています。
なんと言ってもクレルモン・フェランで開催されるショートフイルムのフェスティバルでしょうか。
でも開催時期が1月か2月頃、これがネックなんですが。
スイスやイタリアでのショートフイルムフェスティバルは
行きましたので・・後はこの地だけです。
そして何より十字軍発足の地・・時間もたっぷりありますので勉強して行きたいと思います。
オーヴェルーニュからもう一度、ピレネやボルドーもやはり秋にシフトしてしまいますね。
ローヌ地区も忘れられない地区になりましたし、フランスの田舎は良いですね。
投稿: kju96 | 2008年1月21日 (月) 11時59分
kju96さん、
メッセージをありがとうございます。
朝起きてすぐ、雪?とちょっと期待しながらカーテンを開けたのですが、どこにもそれらしき気配は感じられませんでした。まあ、きっとこれでよかったのでしょう・・・
オーヴェルニュには教会だけでなく、きっとフランス北方には無い景色から感じられる”田舎の味”みたいな感覚が、日本人にあうのかもしれません。
クレルモン・フェランでのショートフイルムのフェスティバルについては、いつかも書かれていましたね。やはり、自分の好きな分野を意識した訪問が一番有意義に感じられるのではないでしょうか?でも、冬は辛いですね。いつかこれに参加出来るよう、私も祈ってます。
ほんと、フランスの田舎はいいですね。小さな村、石畳、川、林、小道、草原などどこもかしこもきれいに整っていて感心します。イギリスも同じかもしれませんが、都心から離れた小さな村でも地元の人々のプライドが感じられますね。
初めて郊外に車を走らせたとき、一番に感じたのは、戦勝国であり、国連常任理事国の豊かさでした。寂しいですが、日本にはない豊かさです。
あっ、でも、そんなこと忘れて、単にヨーロッパの美しさを堪能しましょう!!
投稿: Cojico | 2008年1月21日 (月) 15時33分
素晴らしい彫刻ですね。時代が古くなるほど、どこか、幼い表情の天使やキリストや使者たち。ゆっくり見て歩きたいです。ロマネスクの彫刻の悪魔たちの可愛らしい顔。それにしても、中世の情念の強さを思います。
投稿: 山口ももり | 2008年1月21日 (月) 17時06分
ももりさん
そうなのです。ロマネスクの彫刻は、天使も悪魔もすべて可愛いのです。石工達の技術も凄いものですね。
私ももう一度教会をゆっくり廻り、味わい、楽しみたいと思っているのですが、主人の退職はもう少し先なので、実現は今のところ出来そうにありません。
暫らく我慢の子です。
投稿: Cojico | 2008年1月21日 (月) 23時15分
先日来ちょっと気になっていたのですが・・・語学、私が以前、「語学は好き」ッて書いたので、とても喋れるように思われたのではないかと恐れおののいていますよ。全く素人ですし、ほとんど、独学です。本を読むのは大好きで、子供向けの聖書の絵本とか、読みやすそうな本を買い込んできて読んでいる程度です。ヨーロッパへ行って、まず、本屋で探すのが絵本の聖書か、歴史。子供向きです。絵本は特に日本の絵本は「ヘタウマ」が主流のようですがヨーロッパの絵本の絵はレベルが高く、素晴らしいです。日本では、子供が好くようにと言う思い込みからか、子供っぽさや稚拙感を大切にしたりイラスト調が主流のようですが、私はまっ正面から絵を描いて欲しいといつも、思っています。語学はそんなもんで、どうぞ、ペラペラだとは思わないで下さいネ。
投稿: 山口ももり | 2008年1月22日 (火) 09時18分
あら~出遅れました~
だんだんロマネスクの感じというのがわかってきたように感じます(勝手に)。ステンドグラスや流れるような装飾がない分、視野で全体性が把握しやすく、親しみを持ちやすいです。キリスト教といえど、会堂は人が集まる集会所の意味で始まったのですよね? 修道院も、ヒエラルキーの高い人が住むところではなく・・・。話がそれてしまいました、その分、彫刻が生き生きしているように思います。存在の仕方も具合が良いような。
投稿: あむ | 2008年1月22日 (火) 20時09分
ももりさん、
先ほど読み返したのですが、私の書いたコメント、言葉が足らなかったようです。すみません。もう少し詳しく書くべきでした。時々自分の世界の中だけで書くようなことがありまして・・・本を多く読んでいらっしゃるももりさんには、それが分かったのでしょう。もし、気分を害されたのならほんとにごめんなさい。とにかく私は理系人間でして、自分の感じたことさえうまく書けず、言葉足らずで終わってしまうことが多いのです。表現力のない私には、ネットは難しいことが多いです・・・
そんなにヨーロッパの絵本と日本の絵本には、違いがあるのですか!よく見たことがないのでわからないのですが、私もヨーロッパへ行くと本屋やCD屋さんを覗いて必ず何かを購入していますので、今度は、絵本も見るようにしてみますね。ちょっと面白いかもしれません。
投稿: Cojico | 2008年1月22日 (火) 20時10分
あむさん、メッセージをありがとうございます。
私の説明は、”きれい、素敵”などと言ってるだけできちんとした文献を読んでいないので、説明が明解でなく、申し訳なく思っています。素人なりに少しずつ読んでいこうかな、と思っているところです。説明はなくても、写真だけでもロマネスクの雰囲気を味わっていただけたらな、と願っています。
ロマネスクは根本思想として”偶像禁止”がある為、抽象的に神の世界や地獄の世界を表現して、人々に宗教的、道徳的な話をしたらしいのですが、古来から漫画的な抽象絵画に慣れ親しんでいる私達日本人は、ゴシックの柱頭のように厳密な人間描写をした像より、ずーっとロマネスクの像の方が親しみがもてるのではないか、と思っております。
私もあむさんと同じように、ロマネスクの彫刻の方が生き生きしているように感じているのですが、ロダンが書いている本(数年前に読んだ)を読みますと、ゴシックの教会ばかり褒めていて、がっかりしたことがあります。でも芸術家らしい、感動を込めた美しい表現には、参りましたが・・・
投稿: Cojico | 2008年1月22日 (火) 23時07分