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2007年7月 6日 (金)

フランス小話(9) les histoires drôles(9)

Station

(29)   -----  バナナ編  banane -----

それは、地下鉄の中でのことだった。

奥の座席で(注:Cojicoーパリの地下鉄の旧型は、バスの車輌を繋げたように一車輌ごと独立していて、その両端の座席は弧状になっている。)、若者が新聞を読んでいた。でも、驚くことに、彼は耳にバナナを差し込んでいた。

彼の正面には、それなりに上品なご婦人が座っていたのだが、突然我慢できなくなり、その変わった人物に声をかけた。

「すみません、無礼をお許してください。でも、とても知りたいんです。どうして貴方は耳にバナナを入れてるんですか?」

相手は何も答えない。彼女はいらいらして、少し大きな声で同じ質問を繰り返した。しかし若者は、相変わらず新聞を読み続けている。途端、その女性はかっとし、その善良な人物の手から新聞をもぎ取り、わめきたてた。

「どっちなの?貴方が耳にバナナを入れている理由を、私に言ってくれるの、どうなの?」

若者は驚いた目つきで、彼女を見上げた。「何を言ってるんですか?もっと大きな声で言ってください。私が耳にバナナを入れてるのが見えないのですか?」

----- 

La Scène se passe dans le métro. Sur le banc du fond, un gars est en train de lire son journal, mais la chose la plus surprenante, c'est qu'il a une banane enfoncée dans l'oreille.
En face de lui, il y a une dame trés comme il faut, mais au bout d'un moment, n'y tenant plus, elle s'adresse à son étrange voisin:

- Pardon, monsieur, veuillez excuser mon impertinence, mais vraiment j'ai besoin de savoir! Pourquoi est-ce que vous avez une banane dans l'oreille?

  Et l'autre ne répond rien. Alors la dame s'énerve et elle répète sa question un peu plus fort. Mais le gars continue à lire son journal. Du coup la dame pique du coup de sang, elle arrache le journal des mains du bonhomme et elle se met à hurler:

- Oui ou non, est-ce que vous allez me dire pourquoi vous avez une banane dans l'oreille?
Et le gars lève vers elle un regard étonné:
- Qu'est-ce que vous dites? Parlez plus fort! Vous ne voyez pas que j'ai une banane dans l'oreille?

   

(30) -----  ダンスパーティー  bal -----

ある仮装パティーで、家の主人が、両手の黒い手袋、両足の黒いハーフブーツ以外は何も身に着けていない若い女性に近づいた。とても驚いた彼は、彼女に尋ねた。

「無礼をお許しください。でも、貴方は一体なんに変装しているのですか?」

「あの、スペードの5・・・なんですが・・・」

-----  

Dans un bal travesti, le maître de maison s'approche d'une jeune fille toute nue qui ne porte que des gants noirs et des bottines noires. Et très étonné, il lui demande:
- Excusez mon inconvenance, mais vous êtes déguisée en quoi?
- Ben, dit-elle, en cinq de pique...

    

(31) -----  赤ちゃん bébé  -----

「で、その赤ちゃんのお名前は?」 市役所の職員が、父親に尋ねた。

Olfwjuimkzof、です。名付け親のせいで・・・」

「ああ、そうですか。その名付け親の方は、スラブ系なのですね?」

「いいえ、眼科医なんです。」

-----

- Comment nous allons l'appeler, ce petit? dit l'employé de mairie au père.
- Olfwjuimkzof,  à cause de son parrain....
- Ah, bon! Son parrain est slave?
- Non. Il est oculiste. 

   

(Dictionnaire des histoires drôles: Hervé Nègre より Cojico訳)

そのほかの小話については、カテゴリーの「フランス小話」をクリックしてください。

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フランス小話 des histoires drôles」カテゴリの記事

コメント

おはようございます。
楽しく拝読させていただきました。
フランス独特のウィット言うのか面白いですね。
デュマやバルザックなど長い文章で結論を引き延ばす。
そして最後に哲学のような言葉を残す。
フランス文学に共通するオチのような気がしました。

フランスとイギリスは気高さを競うところがありますね。
フランス人がイギリスに行くときは、お洒落をして行くのは
ライバル心でしょうか。
ドイツ人に対しては見下した態度を取る。
ただし、パリやロワールなどの地域だと思いますが、芸術も
ドイツ人に対しては・・・良い音楽だけどねなどと・・素直に
認めないところがありますね。
フランスの小話は、凝縮された文学ですね。

投稿: kju96 | 2007年8月11日 (土) 12時29分

kju96さん

申し訳ないお願いをしてしまいました。
個人的には、小話(2)の2つの話が受けてしまって、暫らく笑いが止まらなかったもので、薦めてしまいました。
でも、笑いって人に寄って変わるものですよね。強要してしまったようで、ほんとにすみません。

確かにバルザックの内容は、う~んとうなってしまうほど納得させられる人生哲学がありますね。好きな作家です。

小話は、背後にある歴史や文化を知らなければ分からないオチも多く、理解するのに苦労するのもあります。むずかしいです。

kju96さんは、ほんとにいろんなことをご存知ですね。確かにそうです。フランス人は、イギリスにかなりのライバル意識があり、ドイツに対しては、”ヨーロッパの田舎者”といったイメージを持っているようです。ベルギー人への見下し方は、ひどいものです。

反対に、イギリスに行き、あるイギリス人と話していた時「今、フランスに住んでいる」と言うと、すぐに彼は「どうしてフランス人は口ばかり達者で戦争には弱いんだろうね」と皮肉っていました。確かにそうかも・・・

他の小話の中には、フランス人が英語を理解しないために変なことになる話もあります。それも楽しみです。

今回は、読んでくださり、ありがとうございました。

投稿: Cojico | 2007年8月11日 (土) 23時35分

フランス人はドイツ人が嫌いですか?

投稿: 台湾人 | 2008年7月 4日 (金) 12時29分

台湾人さん

初めまして。小話を読んでくださり、ありがとうございます。
フランスに住んでいたとき、こういう話はよく耳にしました。はやり、フランスはいたる所でドイツ人にひどい扱いを受けていましたし、また、住民全員が虐殺された村もあり、そこは忘れてはならない場所として保存されています。はやり戦争体験をしてきた方々は、そうとう嫌いのようですよ。
でも若い世代では、かなり感情も変わってきているのではないでしょうか。

逆から見ると、ドイツのフランスに近いモーゼル川の周辺に壊れたお城が点在しているのですが、そこを訪問したとき、ドイツ人が「これらは全部フランス人が破壊したんだ!」とちょっと厳しい口調で話していました。

国境を接する国々の感情は、微妙、複雑ですね。
ドイツ人に関する小話は、こちらにもあります。もしよろしかったら覗いてみてください。
http://cojicoviaggio.cocolog-nifty.com/blog/2006/11/les_histoires_d_a6df.html

投稿: Cojico | 2008年7月 4日 (金) 20時41分

フランスとイタリアの間にも根強いライバル意識が存在するそうです。

投稿: 台湾人 | 2008年7月 8日 (火) 15時15分

台湾人さん

隣同士の国というのは、きっと何処の国でも同じように、自分の国を愛するがゆえに複雑な感情を持っていることでしょう。
でも、ドイツとイタリア、それぞれに対するフランス人の感情は少し違うような気がします。

ドイツ人に対しては、たとえ彼らが真摯に謝っても、心の奥底にくすぶる戦争の爪痕のようなものが残っている・・といった感じ。
ただ、私も数人のフランス人先生からの話を元にしているのではっきりとは言えないのですが、クラスにいたドイツ人学生とフランス人先生の関係をみていますと、お互いが意識しあいすぎている印象を持ちました。考え過ぎ、相手の言葉に反応しすぎ・・・こういう所に2国の難しさを覚えました。
でも、お互い理性的なヨーロッパ人。辛い過去を処理し、大人の付き合いをしていると思います。

投稿: Cojico | 2008年7月 8日 (火) 21時02分

フランスにはイタリア人が沢山いると聞いています。
私は英語は下手でドイツ語、フランス語、イタリア語、ロシア語もできないのでトホホです。
私は日本とヨーロッパが大好きです。

投稿: 台湾人 | 2008年7月14日 (月) 02時16分

台湾人さん

はい、特に南の地域にはたくさんいらっしゃるようです。イタリアとの国境地域の方は、フランス人もイタリア語を理解する人も多いみたいです。2つの言語は似ているので、彼らには簡単なことでしょう。

台湾人さんは、台湾の方なのですか?先ほどブログを見たのですが、日本人のように日本語を操ることができるのですね。すばらしい!
難しい日本語をこれだけ上手に使われるのですから、ヨーロッパ言語もうまくなれると思います。

フランス語でもイタリア語でも同じですが、3年間勉強すると、現地へ行っても不安なく会話できると思います。「石の上にも3年」!です。

私は台湾に2度行ったことがあります。人々は優しいし、食べ物は美味しいし、大好きな国です。

投稿: Cojico | 2008年7月14日 (月) 21時30分

温かいお言葉ありがとうございます。

私は小さい頃から変わった子で、両親や親戚から理解を得るのが難しく、いつも自分は病院で間違えられた子供なのかなと思っています。

長男である私にはお兄さんやお姉さんなどがなく、時々話を聞いてくれたり、悩みの相談に乗ったり、共通の話題や趣味を語れる相手がなかなか見つかりませんでした。

台湾と日本以外の世界を見たことがない未熟で子供っぽい私に優しく接してくださってありがとうございます。

投稿: 台湾人 | 2008年7月17日 (木) 00時51分

台湾人さん

人間って、ほんとうに複雑で不思議な生き物ですね。

医者をしている友人からの話ですが、「一見すると幸せそうな人も、お金持ちで満足に暮らしていると思われている人も、みんなそれぞれいろんな問題を抱えていて悩んでいるものだよ。」

そう、たとえどんなに悩みが無さそうで積極的に生きている人でも、人間であれば、みんな寂しい気持ちとか誰かを求める気持ちとか、孤独を感じて生きているものだと思います。

そんな時、まっすぐに自分のやりたいことを真剣に取り組み、自分を人間的に成長させるように努力していれば、いつの間にか横に自分を理解してくれる人が現れるような気がします。

今の自分を大切に思い、成長させてくださいね。

投稿: Cojico | 2008年7月17日 (木) 09時30分

心温まる励ましのお言葉本当にありがとうございます。

台湾も多数の人達と一緒じゃないと排除されたり疎外感を良く感じます。

多数の暴力や多数の人達と同じでなければならないという思想は本当に怖いと思います。

スペイン語とイタリア語は似た単語がかなり多いですが、フランス語は英語と似た単語が多いような気がします。

英語がフランス語の真似をしているのでしょうか?

フランスってアメリカ合衆国と同じ人種の坩堝ですね。

アルメニア人学校もあることを最近NHKの番組で見ました。

投稿: 台湾人 | 2008年7月21日 (月) 02時18分

台湾人さん

日本でも、やはり”みんなと同じ”でなければ、快く思わない人が多くいると思います。

私自身は、どうして個性をなくすような同じ事をしなければならないのか、疑問に思っていますが、高校生に聞くと、同じ事をしないと”いじめ”にあったりするので仕方が無い、という意見。

自分の意見と異なる考えに合わせた行動をしなければならなんて、辛いですよね。厳しい世の中です。

フランスでもイギリスでもアメリカでも、人と違う事、人と異なる意見などはむしろその人の個性として尊重される傾向にあり、のびのびと意見を言い、行動しているように思います。
でも、そういう国でも地方や田舎へ行けば、やはり保守的な考えに囚われている所も多いはずです。

生きていく事は、常に辛いことですねえ・・・。

さて外国語についてですが、はやりフランス語は文法的には、同じロマンス言語系のイタリア語やスペイン語とそっくりです。単語自体は、英語に似ているのもありますが、それはイタリア語でも同じ事が言えます。似ている単語は、ラテン語が語源なのでしょうか?私にはわかりません。

英語の単語中で、フランス語を取り入れたものは多くあるそうで、なぜなら昔、フランス語がヨーロッパを支配していた頃、イギリスでは、フランス語は貴族や知識人階級の言葉、英語は庶民の言葉でして、その権威あるフランス語をまねて、多く英語に取り込んだのだそうです。

現代では、英語がフランス語やイタリア語の中にはいっていますよね。その時代に強い国の言語が幅を利かせているのでしょうか。

フランスにアルメニア人の学校があるのですか!私はその番組を見ていないのですが、とにかくパリにはいろんな国の人が住んでいましたよ。フランスはアメリカよりもずーっと古い時代から多様の人種が集まっている国です。とにかく陸続きなんですものね。

投稿: Cojico | 2008年7月21日 (月) 23時37分

とても勉強になりました。

返事が遅くなって申し訳ありません。

時々メッセージを送信することが拒否されたり、エラーが何度も生じたり、貴方にはこのページを閲覧する権利はありませんなど警告されて門前払い状態が続きます。

私のパソコンの問題或いはココログが私のパソコンのシステムと何らかの不具合が存在するのかもしれません。

投稿: 台湾人 | 2008年7月22日 (火) 02時43分

台湾人さん

ほんとうに日本語がお上手ですね。小さい頃から日本語に接していたのでしょうか?感心しております。

投稿: Cojico | 2008年7月22日 (火) 18時15分

子供時代に父の仕事の関係で東京都の目黒区で約四年間暮らしていました。

子供の時の方が日本語が得意で流暢で今は昔のように得意ではありません。

投稿: 台湾人 | 2008年7月23日 (水) 18時07分

台湾人さん

やはり子供の頃、日本語を話していたのですね。そうでないと、とてもこんなに巧みな言い回しはできないと思います。
すばらしく流暢に日本語を操っていると思います。

投稿: Cojico | 2008年7月23日 (水) 23時55分

褒めていただいてありがとうございます。basketball

4歳の時日本へ渡り7歳の時に帰国しました。birthday

幼稚園と小学校一年生の時を日本で過ごしました。telephone

正直言うと私の今までの人生で至福の一時だったと思います。club

当時は父が家でできるだけ私とは全部の会話を日本語でやりとりしていたし、学校の環境にも順調に上手く慣れていったので特にいじめとか仲間外れは感じませんでした。night

投稿: 台湾人 | 2008年7月24日 (木) 04時18分

台湾人さん

お父様が家庭でも日本語で話しかけていたとは・・・立派な方ですね。

子供の時に話していた言語でも、会話の練習を継続していなければ忘れるものです。
台湾人さんは、言語の才能をお持ちなのかもしれませんね。

投稿: Cojico | 2008年7月24日 (木) 20時39分

ヨーロッパですか、憧れです。

私も死ぬ前に一度は留学とか観光の名義でヨーロッパで暮らしてみたいな。

まあ、台湾で死ぬまで閉じ込められ脱出や出国の見込みや希望が見えない私ですが。

投稿: 台湾人 | 2009年2月16日 (月) 19時27分

台湾人さん、

人生は、何が起こるかわかりません(と、私は思っています。)
こつこつとがんばっていると、急に何かが開けるかもしれません。
確かに、人は皆、何かに悩みながら生きているものでしょう。
ですが、台湾人さんは若そうですので、いろんな可能性があるように思えるのですが・・・楽観主義的な意見ですみません。

投稿: Cojico | 2009年2月16日 (月) 22時36分

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