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2007年6月17日 (日)

奇岩の上に立つ教会ル・ピュイ(1) LE PUY-EN-VELAY(1)

人というのは、どうもアクセスしにくい場所を聖地とするようです。

Carte_le_puy 海の中に浮かぶ島モン・サン・ミッシェルといい、絶壁の岩にすがりつくようにあるロカマドールといい、山頂のカタリ派要塞モンセギュールといい、どれも見た時は、よくこんな処に建てたなあ、と規模こそ異なるけれど、それぞれに驚嘆したものでした。そして、このル・ピュイの教会もまた然り。

パリから高速道路A10を南下。オルレアンからA71へ、眼を見張るようなステンドグラスを持つ教会ブールジュ(Bourges)を通り過ぎ、シトー派大修道院ノワラック(Abbaye de NOIRLAC いつか書きます。)を過ぎ、パリから400キロ程走ると、タイヤのミシュランの工場があるので有名な街クレルモン・フェランです。ここにもすばらしい大聖堂とバジリカがあるけれど、それはまた別の機会に書くつもりです。

Le_puy_paysage_1

さらに100キロほど南へ車を走らせ、Le Puy en Velayの街が近づいてくと、景色が変わってきます。普通フランスは、なだらかな平野が続いていて長閑な印象を受ける景色が多いのですが、この周辺は、ゴツゴツした小さな岩山があちらこちらにポコンポコンと平地から飛び出て、ちょっと別の国に来たような雰囲気なのです。(上の絵葉書参照)。

運転している主人に向かって、「ねえねえ、変!変!」と喜んで叫んでいたら、その岩山の上に大きな赤いマリア様が立っているのが見えて絶句。ちょっとこれはフランス的ではないかな。と当時に頂上に小さな教会があるのが見えてきた時は、「ヘー・・・これがキリスト教化される前から聖なる土地とされていたル・ピュイか・・・」と妙に納得したのです。

Le_puy_de_dome

このあたりはフランスにしては珍しい火山帯の跡地。フランスに火山があるなんて?そう、今は死火山になってしまっているけれど・・・クレルモン・フェランから西にピュイ山脈という112の死火山が繋がっている風光明媚な場所があるのですが、特に有名なのはピュイ・ド・ドーム(Puy de Dome 標高1465m)。頂上にはやり風が強くて寒かったけれど、火山の仕組みを示した展示室もあり、賑わっていましたよ。(上の絵葉書がクレルモン・フェランの西の風景)

Stmichel_daiguilhepanphe さて、話をル・ピュイに戻して・・・この街は、サンチアゴ・デ・コンポステラへの4つの巡礼ルートの1つの貴重な始発点なのです。だからほんとうは、大聖堂の方をしっかり見なければいけないのに、この奇岩の上に立つ教会サン・ミシェル・デギュイユ(Saint-Michel d'Aiguilhe)が時間をかけ、大聖堂は、美しい回廊を見忘れるという失態をしてしまいました。

と、言うことで、この小さな教会の体験談を。高さ82メートル、階段268段。回りには誰も居ないので急できつい階段も結構楽しく登れました。現地の本(*1)を読むと、中世時代には階段の途中にいくつかの小礼拝堂があったのだそうで、現在は受け付けである岩の一番下にある礼拝堂しか残っていないのだそうです。(右は、現地でもらったパンフレットの表紙。山の左側斜面にジグザグの階段が見えます。)

Aiguilhestep このように踊り場ではベンチも置いていて、休みながらどうぞ、といった具合でしょうか。ああ、疲れたー!と感じる頃、階段の上に、小さいけれどオリエンタルな装飾を持ったおもしろい入り口が見えてくるのです。ここからの眺めについては、フランスの教会を述べるときは、必ずといっていいほど出てくる歴史建造物総視察官プロスペル・メリメの言葉がやはり残っています。

Aiguilheporte_1 

「この眺めは建築術の傑作の一つだ」(上図:*1より)

この入り口正面ファサードをしっかり見てみましょう。不思議だけどイスラム的な雰囲気があります。タンパン(入り口の上に半円形の場所)の上は三葉模様のアーチ、その上のアーチは赤、白、黒の菱形モザイク模様。その間は、唐草模様で満たされていて、どれも普通のロマネスクの教会の入り口上部とは少し異なっています。(下図参照パンフレットより)

Aiguilhefacade2_1

次回は、現地で購入してきた本(*1)を読んで、私の意訳を通してこのファサードの説明と内部のフレスコ画を紹介してみたいと思います。

関連記事:

奇岩の上に立つ教会ル・ピュイ(2): 教会内部

ル・ピュイのノートル・ダム大聖堂①: 外観と教会内部 
ル・ピュイのノートル・ダム大聖堂②: 教会平面図と裁きのポーチ 
ル・ピュイのノートル・ダム大聖堂③: 回廊とフレスコ画

その他の教会については、教会一覧を参照してください。

*1 LE PUY-EN-VELAY   MSM出版

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フランスの教会 Les eglises de la France」カテゴリの記事

コメント

ル・ピュイ、先日見た「聖地巡礼」展(民博)で、初認識しました。サンチアゴ・デ・コンポステラへの巡礼出発地としてのビデオを見ました。魅力的ですね。中・南仏は、一度、行きたいところです。

投稿: Ken | 2007年6月20日 (水) 00時14分

話がそれますが
ピュイドドームといえばミネラルウォーター
のヴォルヴィックのラベルになってるやつ
ですね。

我が家ではヴォルヴィックやサンペレグリーノ
が人気ですが、cojicoさんは好みのブランド
とかありますか?

東京の水道水はこちら四国の水と比べるとくさい
です。

投稿: san shiro | 2007年6月20日 (水) 07時56分

Kenさん

ル・ピュイのことを書こうと思ったのは、Kenさんの国立民俗学博物館「聖地巡礼」の見学記を読み、あの素敵な旅行を思い出したからでした。
私もこの展示会、見たかったです。

オーヴェルニュ地方は、ほんとのんびりした景色の続く一帯で、いろいろ見たフランスの中で、実は私の一番好きな場所でもあり、また、もう一度行きたいところでもあります。

じっくりゆっくり回りたいのですが、主人がそのように時間が取れるのはまだ先なので、パック旅行でもいいから、一人で行ってしまいたいほどです。

でも、フランスの個人の旅、特にこういう行きにくい場所へのドライブの旅は、パックでは味わえない良さがあります。ぜひとも、奥様とアイルランドを回られたように、何回かに分けてフランスを車で回ることをお薦めします。

投稿: Cojico | 2007年6月20日 (水) 11時10分

San Shiroさん、

パリにいたとき飲んでいたのは、Shiroさんと同じようにVOLVICでした。

フランスでの生活情報は何も持たずに行ったので、いろんなことが試行錯誤でしたが、水もその一つでした。
緑茶と紅茶を好む私は、茶褐色になるお茶に愕然としました。どの水がお茶にいいのかといろんな水を試し、結局はVOLVICが一番ましだという結論に達しました。
フランスの水の中でVOLVICが一番硬度が低いということは、その後で知ったのです。
濃いコーヒーを飲むフランスは、やはりお水がコーヒーに合っているからなのかもしれません。

そうです、そうです。VOLVICの緑色の丘が広がっている光景は、ル・ピュイ山脈です。確かクレルモン・フェランから西に車を走らせている途中に、看板を見たような気がします。
ところが、ここは、EVIANやVICHYのようなリゾート施設がなさそうなので、通過してしまいました。

四国の水は美味しいと思います。私の住んでいるマンションの水はとても生では飲めなくて、定期的に自然水を配達してもらっています。やはり日本の水が、お茶に一番適しています。

投稿: Cojico | 2007年6月20日 (水) 11時51分

Cojicoさん、こんばんは。
本当に奇岩の上に建っているのですね!なるほど、聖なる土地というオーラが画像からも伝わってくるようです。それにしても教会を建ててしまう中世の人々の信仰心の力って凄いですね~!ここからサンチアゴ・デ・コンポステラへの巡礼が始まることも初めて知りました。

で、Cojicoさんはモンセギュールにもいらっしゃたのですね!読みかけ中断してしまった小説「オクシタニア」(佐藤賢一・著)がカタリ派のモンセギュールを舞台にしているので、いつかきっとブログ登場するのだなぁと楽しみにしております(^_-)-☆

投稿: 花耀亭 | 2007年7月 2日 (月) 02時14分

花耀亭さん

モンセギュールを舞台にした本があるのですか?!花耀亭さんはよくご存知ですね!読んでみたいですが、目の前の積読状態の本を山をみると無理かも・・・

フランスを勉強していると、南部のカタリ派の話からモンセギュールの名前はでてきます。ほんとに辺鄙な場所でしたよ。

難しいことはわかりませんが、政治的かつ宗教的な問題になると、そのパワーは絶大になりますよね。
教会の建築も破壊も、そのエネルギーは日本人には想像を超えていると常々思っています。

投稿: Cojico | 2007年7月 2日 (月) 20時06分

「世界ふれあい街歩き」に注目! 予約しました。

BShiで8月6日から4日続けてシリーズ「巡礼の旅」を放送します。
8月6日(月)22時~モンペリエ~フランス~
8月7日(火)22時~トゥールーズ~フランス~
8月8日(水)22時~レオン~スペイン~
8月9日(木)22時~サンティアゴ・デ・コンポステラ~スペイン~

投稿: Ken | 2007年7月31日 (火) 07時25分

Kenさん

放送案内、ありがとうございます。サンティアゴ・デ・コンポステラへの路は、私も行って見たいと思っています。

この番組、のんびりしていて、いいですよね。でも普通私は、番組表は見ないので、後で見ておけばよかった・・・と後悔することもしばしばです。

早速、予約をすることにします。

投稿: Cojico | 2007年7月31日 (火) 21時09分

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