松島の瑞巌寺 Zuiganji temple
十一日、瑞巌寺に詣づ。当時三十二世の昔、真壁の平四郎出家して、入唐帰朝の後開山す。その後に雲居禅師の特化によりて七堂甍改まりて、金壁・荘厳光を輝かし、仏土成就の大伽藍とはなれりける。かの見仏の寺はいづくにやとしたはる。
--- 奥の細道 松尾芭蕉 瑞巌寺にて ---
今回で松島へ来たのは2回目。でも、瑞巌寺がこのような立派な建造物だったとは、恥ずかしながら今回初めて知った。この見事な杉木立の参道の正面に、臨済宗の禅寺で、伊達政宗公の菩提寺でもある本堂が存在するのだが、なんとこの見事なバランスの良い瓦屋根の本堂、そして台所である庫裏(くり)、庫裏への回廊などが国宝なのだ。
芭蕉は、短い言葉で的確にすべてを表現している。
パンフレットによると、「828年、慈覚大師によって開創された当初は天台宗のお寺だった。その後鎌倉幕府の庇護のより真壁平四郎を迎えて禅寺にとして栄え、戦国時代に衰えた。江戸時代の初め伊達政宗の命により立派な大伽藍が完成され、雲居禅師が住職になってから、寺が盛んになったという。工事は1604年に始まり、桧、杉など良質の木は熊野から取り寄せ、さらに京都から名工を集め、5年がかりで完成させた。」
本堂は禅宗方丈様式に武家書院造りを加味した建物で、部屋は10室に分かれていて、各部屋は美しい襖絵に囲まれている。この本堂の左手前にある御成玄関の欄間の彫刻(葡萄に鼠)がとてもすばらしい。
この正面の靴箱に靴を入れて、本堂に入る。法要が営まれる本堂の中心は「孔雀の間」。仙台藩お抱えの絵師佐久間修理(狩野左京)の筆による「松に孔雀」が描かれている。左の襖に松と楓とともに立派な尾をもった孔雀が描かれているのだが、ちょっと変。
この絵を見ての通り、金箔が鮮やかで彩色もはっきりしているのは、復元されたものだから。この本堂、1985年から1997年にかけて、墨絵の間を除く全障壁画211面に対して、完成当初への復元模写事業が行われ、見事な障壁画が蘇った
なんでも、現本と同じ雁皮紙と厚い金箔を特製し、岩絵具で忠実に再現させたのだそうだ。見事な欄間彫刻の色彩も当時を再現させてくれれば、芭蕉が見たのと同じ豪華絢爛な瑞巌寺を拝見できるだろう。
(上部にリンクした瑞巌寺のホームページを見ていただくと、部屋の間取り、各部屋の写真がご覧になれます。)
これは、上段の間の襖絵「四季花卉図」長谷川等胤作。
こちらは、御典医の控え室の襖絵「菊図」で、佐久間(狩野)左京一門の作。上図の牡丹と共に美しい金地に鮮やかな色の花。
各部屋がこのように手の凝った美しい襖絵が描かれているということは、政宗がいかにこのお寺に力を注いでいたかがわかる。
実は、一番載せたかった写真は、参道入り口にあった楓の木。緑と黄色と赤が一本に見られると、こんなにも豪華なのかと、初めて知った。等伯の「楓図屏風」は見事にそれを描いているなあ、と思い出し感心してしまった。
隣にある円通寺のお庭は「日本の名庭園」に挙げられるそうで、あまりの美しさに、おまけに人が少ないのでバシバシ写真を取ってしまった。松島の旅は景色の美しさと、お寺の豪華さと、牡蠣のおいしさに満足して終了した。
| 固定リンク
|
« やっと終わった・・・finalement le deuxieme semestre est fini. | トップページ | ソフィアの聖ネデーリャ教会 St.Nedelya Church a Sofia in Bulgaria »
「国内旅行 Japon」カテゴリの記事
- 川越 喜多院 「五百羅漢」(2010.02.15)
- 百観音明治堂 沼袋(2010.02.12)
- 智積院の長谷川等伯 Tôhaku HASEGAWA à Chisyaku-in(2006.11.12)
- 松島の瑞巌寺 Zuiganji temple(2006.12.16)
- 伊東へ(2007.06.10)
「日本美術 L'art japonais」カテゴリの記事
- 『琳派芸術』-光悦・宗達から江戸琳派 出光美術館(2011.01.19)
- 応挙の弟子、長沢芦雪という画家 Un peintre Rosétsu qui était un élève de Ôkyo(2006.07.19)
- 日本画はやはり美しい L’art japonais est toujours plein de beauté(2006.07.17)
- 小泉淳作展 日本橋高島屋(2010.09.21)
- 「陰影礼讃 SHADOWS」 国立新美術館(2010.09.13)











コメント
Cojicoさん、こんばんは。
いやぁ~、瑞巌寺ってこんなに立派でしたっけ?!Cojicoさんのカメラマンの腕が良すぎるんじゃないですか?(^_-)-☆
拝見しながら地元ッティの方が勉強させていただきました。襖絵の見事さも改めて知ることができました。正月帰省の折、時間があったら訪れてみたいです。でも、混みそうかなぁ...。
投稿: 花耀亭 | 2006年12月20日 (水) 02時58分
花耀亭さん、こんばんは。
>瑞巌寺ってこんなに立派でしたっけ?!
そうなんですよ、想像以上にこの建物、大きかったです。
10の各部屋、それぞれ用途ごとというか使用する人の身分ごとに部屋の天井の造りが異なっていたり、藩主御成の間の隣には天皇奉迎の間があったりと、変化があり非常に興味ある建物でした。
部屋から見える庭も綺麗ですし、襖絵も美しく鮮やかでした。
さらに、廊下や玄関の彫刻がすばらしく、この色が再現されると、この建物全体がかなり派手になるではないでしょうか。
仙台は、緑が多くて、歴史があって、落ち着いていて、気に入りました。
花耀亭さんは良い街を故郷にお持ちですね。
投稿: Cojico | 2006年12月20日 (水) 22時05分